天堂光輝の妹は京極竜に恋をした【PRINCE OF LEGEND】 (ページ29)

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第15話不器用なアピール⑤ ページ29

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その日の放課後。

学校を出ると、辺りはもう薄暗くなっていた。

大通りに向かって歩いていると、後ろからひたひたと足音がする。

この道、街灯も人通りも少ないからちょっと物騒なんだよね......。

『(なんか......一定の距離をおいてついて来てるような気がするんだけど、気のせいかな？)』

私は無性に怖くなって、大通りに向かって駆け出した。

？？｢おい、待て！｣

突然後ろから声を出され、恐怖に身がすくむ。

『(お願い、誰か助けて！)』

必死で逃げる私の腕を、追ってきた男が後ろから掴んだ。

『キャーッ！ち、痴漢！』

竜｢バカ、俺だ！｣

え......

顔を上げると、そこには見慣れた竜の顔があった。

『なんだ竜か......。ビックリした』

竜｢ビックリしたのはこっちだよ。いきなり大声出されて......｣

『ごめん......。でも、なんで今頃帰ってるの？』

竜｢トレーニングルームで運動してたんだよ｣

『そうだったんだ......』

竜｢ったく、痴漢呼ばわりしやがって......｣

『本当にごめん......』

だって、もうあの雰囲気は完璧な痴漢だったじゃん......。
竜、痴漢王になれるよ。
(竜｢ふざけんな｣)

竜｢お詫びに何してもらおうかな〜あ、そうだ。今度『伝説の王子選手権』で壁ドンの練習があったわ。それ付き合え｣

『えっ？』

竜｢家で兄貴と練習してんだけど、なんか気持ちが乗らねぇんだ｣

『2人で壁ドンの練習？......生で見たら絶対爆笑しちゃう』

2人で笑いながら歩いていると、不意に数人の男子生徒たちが前方に立ちはだかった。

竜の顔色がさっと変わる。

竜｢てめぇら......｣

他校の生徒｢よぉ竜、元気か？｣

他校の生徒｢新しい学校でも楽しそうにやってるみたいじゃねぇか｣

男たちは私をジロジロと見て、下卑た笑みを浮かべている。

竜は私を庇うように、1歩前に出た。

『(ど、どうしよう......)』

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