天堂光輝の妹は京極竜に恋をした【PRINCE OF LEGEND】 (ページ2)

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『ちょっとだけ、じっとしてて......』

私は鞄の中から携帯用のソーイングセットを取り出し、ボタンを縫いつけてあげた。

『はい、これでもう大丈夫』

京極君は呆気に取られたような目で、私を見つめる。

竜｢あんた、すげーな｣

『別に、このくらい......』

いつもお兄ちゃんにやっている、
なんてことは言えず。

褒められて少しドギマギしていると、不意に校舎の陰から京極兄が現れた。

尊人｢よっ！竜、わりぃな、待たせちまって｣

弟と同様に、兄の方も制服が砂埃で汚れている。

尊人｢あれっ、天堂って......もしかしてお前、光輝の妹か？！｣

『あ、はい......そうですけど』

竜｢え、マジで？｣

どうやら2人はお兄ちゃんと知り合いだったらしい。

尊人｢話は聞いてたけど、光輝にそっくりだな！｣

竜｢言われてみれば......確かに似てる｣

『よく言われます......』

尊人｢竜、早速ナンパか？お前、案外やるな〜｣

竜｢な、ナンパなんかしてねーよ。それより兄貴、今まで何してたんだよ｣

尊人｢裏門の方から入ったら、なんか迷っちまって......。この学校、ムダに広いからよ｣

え......校内で迷子？
ヤンキーなのに迷子......？

思わずクスッと笑ってしまうと、京極弟にギロッと睨まれた。
うわぁー、やっぱり怖い。

ふと気がつくと、私たちの様子を大勢の女子たちが遠巻きみつめている。

女子生徒A｢京極兄弟！絵になる〜｣

女子生徒B｢喧嘩してきたのかな？ちょっと怖いけどカッコいいよねー｣

女子生徒C｢ねえねえ、あの子は誰？｣

ヤバい......

光輝の妹ってだけで学校生活があたふたしてるのに、こんなところで悪化させてどうすんだ。

『じゃあ、私はこれで』

私はそそくさとその場を後にした。

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