天堂光輝の妹は京極竜に恋をした【PRINCE OF LEGEND】 (ページ19)

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第9話消しゴムのメモ④ ページ19

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それから私たちは、集中して勉強を続けた。
私に気を遣ったのか、竜が戻って来たのは1時間程経った後だった。

竜｢兄貴、勉強はかどったか？｣

尊人｢おう！今日１日でかなり単語覚えたぜ！こりゃ楽勝だな｣

『(そのポジティブさ......少し分けて欲しいぐらいだよ......)』

竜｢疲れただろ、これ買って来たから......｣

竜はそう言うと、コンビニ服の中から飲み物やスナック菓子、チョコレートなどを次々取り出した。

尊人｢おー、お前気が利くなー。英文読み過ぎて、喉がカラッカラだったんだよ！｣

竜は袋の中からイチゴオレの箱を取り出すと、ぶっきらぼうに私の目の前に置いた。

竜｢これ、お前の......｣

『え......？』

竜｢昼間......落っことして飲めなかっただろ......｣

竜はちょっと照れたように、ぼそっと言った。

『(竜......ちゃんと覚えてて、わざわざ買って来てくれたんだ)』

さっきはブラコン、ブラコンなんて馬鹿にしてたけど......案外優しいんだな。

尊人｢おー、このポテチうめぇー！｣

竜｢兄貴、あんまり食べると夕飯食えなくなるぞ｣

尊人｢このくらいどうってことねぇよ！Aも遠慮しないで食えよ？｣

『うん。じゃあ、遠慮なく』

少し前までは近づかないようにしていた京極兄弟と、こうして呑気にお菓子を食べているのがなんだか不思議に思えた。

2人とも見た目はちょっと怖いけど、すごく話しやすいし、優しいし......。

『(やっぱ兄弟だなー、くしゃっとした笑顔とかすごく似てる)』

竜｢なんだよ、俺らのことジロジロ見て......｣

『やっぱ兄弟だなーって思ってたの。よく似てるなーって』

尊人｢そんなに似てるか？｣

『うん。そっくり』

尊人も竜もお互いを見合って、照れくさそうに笑った。

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