【宇髄天元】貴方は私を見ても神童とは言わなかった…

_______________ 其ノ六 ページ9

貴方side

｢どうした！怪我でもしたのか？！｣

嗚呼、気づかれちゃった…

ｶﾞｼｯ

ヒッ？！怒ってる？？

私は思わず顔を上げた。

すると宇髄さんの顔は
あっという間に真っ赤になった。

そんな顔を真っ赤にする程
怒らせてしまうなんて…

捨てられちゃうのかな…？

｢取り敢えず中入れ？な？A？｣

？優しい声…心配…してる…の？

今の私には頷く事が精一杯だった…

それでも宇髄さんは意味を汲み取ってくれる…

｢おいで…A？｣

心に余裕の無い私は、
必死になって宇髄さんに縋り付いて居た…

宇髄さんのがっしりとした、
大きい身体に包まれて、とても安心する…

｢どうした？派手に落ち着いてみろ。｣

優しいなぁ…
なのに私の涙はちっとも止まってくれない…

私は少しでも宇髄さんに想いを伝えたくて、
必死に頷きながらお礼を言った。

『すいませ…あ、ありがとうございます…』

すると宇髄さんは
少しビックリした顔をしてから、
途端に愛おしそうな表情をして、簪を撫でた。

｢簪 …着けてくれて有難うなァ！
ド派手に似合ってるぜ！｣

？！？！？！真正面からそんな事言われたら！！

は、恥ずかしい…

『い、いえ！そんな事は！！』

｢髪…｣

あ、あぁ、嫌、嫌、その先は言わないで？
まだ温かい貴方の腕の中に居させて？









そんな願いすら届かずに、
無情にも時は過ぎて行く…









そうだ…貴方に言われるぐらいなら…

｢綺r『き、気持ち悪いですよね！血の色みたいですもんね！すいません！』｣

恐る恐る顔を見ると
キョトンとした顔で固まっていた…

すると突然ハッとして、

｢お前なぁ？ド派手に何言ってんだ？｣
｢気持ち悪いィ？んなわけあるか！！
俺の目の化粧と同じ色でド派手にいいと思うぜ！
俺は好きだ！ド派手になァ！綺麗だ！！｣

あぁ…悔しい….
辛い…嫌い…




何がって？私がに決まってる。

宇髄さんを信用してなかったんだもの…

こんなにも優しい人を…
あぁ…涙脆くて行けない…

ずっと表情を隠してきたツケが回ってきたのかな？

｢はぁ…何があったのかは大体想像がつく。
だが俺の前では取り繕うな。
感情のままに生きろ。
忍びだからって感情を殺す事は無い。
俺がお前に、他の3人にだって、
普通の幸せを見せてやる。
それ迄は俺の胸で泣け。｣

普通の幸せを？
忍びの私達に？


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