ほろ苦いオランジェット14 ページ41
「雪路殿」
「一期」
本丸へと帰還するゲートの直前で私たちを追いかけて来た一期に呼び止められる。
どうしたの、そう言うと、彼は「A殿と、話がしたかったのです」と罰が悪そうに呟いた。
「きみ、俺が一緒じゃ駄目だと言うのかい？」
「まさか私が取ると思っていらっしゃいますか？」
不機嫌に口を尖らせた鶴丸に「秀吉殿じゃあるまいし」と付け足して一期は苦笑する。その様子に鶴丸もすぐに表情を戻し、「分かってるよ」と気が良さそうに頷いた。
「良いぜ。俺は鶯丸や江雪と話してくるさ」
「鶴丸殿、ありがとうございます」
「その代わり、あまり俺を待たせて退屈させないでくれよな」
ひらひらと手を振って鶴丸は朔夜くんの本丸へと歩みを進める。
鶴丸の姿が完全に見えなくなったころ、一期はふう、と少し息を吐いて私を見つめた。
「雪路殿、」
「殿はいらないよ」
「……雪路」
なあに？と微笑むと、一期は嬉しそうに、でもどこか寂しそうに「おめでとうございます」と呟いた。
こうして二人で話すのは随分と久しぶりだ。二人でいない時間があまりにも長すぎて、もう数年以上経ってしまったようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちごめ(プロフ) - ミケプリンさん» ミケプリンさまいつも本当にありがとうございます！鶴丸推しになっていただけて嬉しい限りです😊続編も近々公開予定ですので、そちらでも是非是非よろしくお願いします！ (2022年10月16日 23時) (
レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
ミケプリン(プロフ) - 続編楽しみにしてます！これからも応援してます！今となっては鶴丸推しになってしまったので更新されるのが楽しみになってます！もちごめ様のペースで頑張ってください✨ (2022年10月16日 20時) (レス) @page44 id: 2326f32420 (このIDを非表示/違反報告)
もちごめ(プロフ) - ミケプリンさん» こちらこそ楽しみにしていていただけていたなんて嬉しい限りです！いつも応援ありがとうございます！こちらでもよろしくお願いします✨ (2022年10月3日 19時) (レス) @page7 id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
もちごめ(プロフ) - 柘榴さん» ありがとうございます！こちらでもよろしくお願いします〜！！もちごめも鶴丸推しなので柘榴さまや他の鶴丸推しの方々にキュンキュンしてもらえるように校正に力を入れていきます！笑 (2022年10月3日 19時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
ミケプリン(プロフ) - 続編おめでとうございます！楽しみにしてました！ (2022年10月3日 18時) (レス) @page7 id: 2326f32420 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちごめ | 作成日時：2022年10月3日 14時
