【番外編】彼方の銀世界できみと眠る【鶴丸国永】

祝福のトリツェット7 ページ27

「ほんとにずーっと泣いてたよ。ティッシュ一箱消えたもん」



「シスコンっぷりがすごい」




妹みたいって言ってるだけあって目に入れても痛くないぐらい本当に溺愛してるもんなあ、と密かに苦笑した。


噂をしていると、藤村さんから『お前どうせ鈴鹿と飲んでるんだろ！俺も入れろよ！』とメールが届く。



やれやれと肩をすくめ、俺は『分かりました。今日は俺たちのおごりで良いので一緒に飲みましょう』と返信した。





放っておいたらまた一人で泣き喚いて泥酔するのが目に見えている。


正直そんな藤村さん見たくないし、他の人にそんな藤村さんを見せるのも彼のイメージダウンにつながるんじゃないかと恐ろしい。全く手のかかるお兄さんだ。




するとピロンと携帯からショートメールの通知音が鳴る。




「先にいつものところで待ってるって。予約済みらしいよ」



「はは、さすが」




彼女と笑い、通い慣れた居酒屋で先に一人飲み始める藤村さんの元へ進む。




サア、と冷たい風が吹き抜ける。



寒さで白んだ息を吐きながら辺りを見回すと、クリスマスシーズンの街中が様々な色のライトで眠らない街のように飾り付けられている。






寒いはずなのに暗闇の中きらきらと輝く光の束は何故だか俺の心を暖かく照らしていた。





祝福のトリツェット 完

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