【刀剣乱舞】彼方の銀世界できみと眠る3【鶴丸国永】

　8-8 桔梗 ページ22

「効いてるってことは分かってるのよ！」






駆け付けた刀剣男士と審神者と共に彼女は退魔の札を叩き込む。


その度にそれは声にならない叫び声を上げながら藻掻き苦しんでいる。



確実に倒せるとまでは言わないが、ジリジリと奴の生命力を削っていることは確かだった。





「くそ、もう少しなのに！」





息を切らして彼女は叫ぶ。

ずっと交戦しているから、彼女の顔には切り傷が付いており赤く線が走っていた。







「これを倒し切らなきゃ意味はない」と鈴鹿は焦っていた。けれどこのままじゃ無理だ。




あと少し、もう少しで倒せるのに呪力が足りない。



あともう一人強力な術者がいれば倒せるのに。





『鈴鹿さん！』





その瞬間、鈴鹿の通信機が担当役人九条の端末と通信が繋がった。



「なんで」そう鈴鹿が溢すと、
『助っ人だよ』と九条は微笑んで何者かと交代した。






『鈴鹿！現地からじゃなくてすまないが、』


聞き慣れた声に鈴鹿は思わず涙ぐむ。





『最強のお兄様が作った呪符だ！受け取れ！』




──瞬間。空中に浮かんだ晴明桔梗印が敵を包み込む。



再び眩い光が辺りを照らしたかと思うと、たちまち断末魔を上げてそれの身体はボロボロと崩れ落ちる。




残滓が灰となり地に落ちた瞬間、鈴鹿はその場に崩れ落ちた。







・


※呪術を扱える最強のお兄さんというと某呪術高専の人をイメージする方が多いとは思いますが、今作の鈴鹿さんのお兄様は五なんとかさんとは全くの別人です。


(というかぶっちゃけごじょセンの存在がアニメ化されて世に出回る前にこちらの設定を作り終えていたので、オマージュも何もしておりません)




ちなみにですが……。



鈴鹿の兄

本職は禰宜。CV.宮野真守。
やる時はできるんですタイプ。霊力高め。

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