ハーツラビュルの道化師さん (ページ41)

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若干イライラとしながら作業に戻る

「Aくん、さっきの人知り合い？」

ケイト先輩が声をかけて来た

「そう……何ですかね？」

曖昧な返事を返す僕

あの人があの名前を知るはずがない

だってあの名前は、本当の僕とあの人だけがっ

「おーい、Aくん大丈夫？」

そう声をかけられてはっとする

「な、何ですか？」

「いや、ずっと同じバラ赤く塗ってたら誰でも気になるって！」

そう言われて薔薇の花を見ると赤に塗りすぎて少し萎れていた

「あ………」

「Aくん、もしかして疲れてる？」

「いえ、そんなことないと思うんですけど……」

そういうとケイト先輩は数秒何か考えたあと

「こっちの作業は俺がしとくからさ、トレイくんの様子でも見てきてよ！」

半場強制的に仕事を取り上げられた

「危なっかしいんだよね、Aくんは…………まるであの子見たいに

そして、いつか消えちゃうんじゃないかって思う」

背中に向けてそう呟かれた声は僕には届かない