89 ページ40
Hyuga.side
それから数日経って、Aの家に帰ると
さっそくキッチンの灯りがついていた
「お、ガチで作ってるじゃん」
『卵料理から始めた方がいいって、店長に言われたから。卵焼き作ってみてる』
いかにも初心者っぽい手つきで卵をとくAを見ながら
自然と、うちの社長が脳裏をよぎる
何にでも全力で、苦手なこともとりあえず一生懸命にやってみようとすんのは一緒なんだよな。笑
『あ、焦げた。あぁー！破けた』
なんでもクールにそつなくこなすように見えて、料理はかなり不器用。
とにかく純粋で真っ直ぐな、俺の好きな二人が重なって見えた
バタバタと騒がしいAを見てるとつい手を出したくもなるけど
Aの上達のためには我慢。
味見をしてみて、納得がいかなかったのか
すぐ携帯や本で調べている
ここがきっと、とりあえずぶち込んで壊滅的な料理ができても
ま、いいや。で終わらすやまとと違うところ。(笑)
そんな頑張るAに、手は出せないからせめてアドバイスだけでもしてあげたくなった
「醤油が足りない気する」
『醤油？』
「うん、何となくだけどね。
卵焼きって一番オーソドックスだけど、調味料しだいで味は無限に変わる、なんだかんだ一番奥深い料理かもよ」
『えぇー、何それ難しそう』
「それが楽しいって思えるようになったら勝ちだって。頑張れー」
Aなら、絶対そうなれる
今のまま続ければ、絶対上手くなる
プロでもない俺が下手なアドバイスをする訳にもいかない
あとはAの努力次第だから。頑張れ。
心の中では全力で応援しつつ、持ち帰ってきた編集に取り掛かった
Aは俺がPCをいじってても何をしてるか聞いてこないし、画面を覗きに来ることも一度もない
ガチで俺のことには一ミリも興味ないんだろうな。
それがこの関係の正しい形であり、
でも俺はそれを感じるたび、少し寂しくなる
寂しく感じること自体、そもそも間違いなんだけど。
お互いのことについては聞かない、というルールを設けたけど
それが日に日に自分の首を絞めているのは確かだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 521人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙耶(プロフ) - ななさん» イケメンですよね✨一度はやってみたいものです。チキンなので出来ませんが。（笑）続きもお楽しみに😉 (2022年7月6日 21時) (
レス) id: 23c6546d41 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - うわぁぁ🙈昔話良い思い出すぎない？！続き楽しみにしてます (2022年7月6日 21時) (レス) @page12 id: 765348961f (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - ななさん» 1から続けてコメントくださってありがとうございます😢頑張ります！ (2022年7月5日 0時) (レス) @page9 id: 23c6546d41 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 毎回凄い楽しませてもらってます！続き待ってます (2022年7月4日 9時) (レス) @page9 id: 765348961f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙耶 | 作成日時：2022年6月25日 23時
