さよなら、アリス

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やまとside



スタッフ「主演のお2人、入られまーす！」





スタッフの声が響き、俺らにもわずかに緊張が走る





A「おはようございまーす！」





明るい声が響く



彼女が来ただけでそこは柔らかな雰囲気に包まれるようだった






A「エキストラの皆さんも、今日はよろしくお願いします！」






監督やスタッフへの挨拶を済ませると、わざわざ俺らエキストラが集まっている近くまで挨拶に来てくれた




俺はその中のたまたま1番手前にいて、軽くお辞儀をして頭を上げると






一瞬、ほんとに0コンマ何秒かもしれないけど



目が合ったような気がした









その後リハーサルは滞りなく進み、いよいよ本番



各々の位置について、主演の2人をチラリと見ると





香坂Aは目を閉じて1度だけ、ゆっくりと深呼吸をした




その一瞬で表情も、周りの空気すらも変わったのが分かった





A「お願いします」






静かに監督にそう告げる



その人はもう、先ほどまでの香坂Aではなかった









エキストラの1人のくせに俺は内心バクバクで、多分動きもガチガチだったけど



一発OKとなり、渡り廊下でのシーンは撮了となった







次の撮影現場の教室まで、スタッフに連れられ歩いていると



後ろからパタパタと駆けてくる足音が聞こえた









？「あの、そこの背の高い男の子！」

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