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やまとside
rrrrr………
テーブルの脇に置いていた電話が、再び着信を知らせた
「はい」
ひゅ「もしもし、やまと。
そろそろ撮影の時間だけど、いけそう?」
時計を見ると、もう既に13時を回っていた
そんなに自分はずっと固まってたのかと初めて気付く
しかも、しょっちゅう遅刻してくるひゅうがに言われてしまった
今自分は笑ってんのか泣いてんのか、自分でもよく分からない状態だけど
絶対に、動画を止めるわけにはいかない
「やれる。すぐ行くわ」
電話を切ってすぐに立ち上がる
洗面所に並ぶ2本の歯ブラシには見なかった振りをして
顔を洗い髪をセットして服を着替える
玄関へ向かい、家の鍵を取ろうと手を伸ばすと
目の前の写真立てが思わず視界に入った
家を出る前に必ず目にする場所だからと、満場一致で決まったその置き場所
自然と蘇ってきた記憶に何とか蓋をして、俺はそれを伏せて家を出た
集合場所が見えてきたところで、俺は目を閉じて
一度だけ大きく深呼吸して、スイッチを入れた
オンオフの切り替え方、俺はAから教わったんだよ。
まさかこんな形で使うとは思わなかったわ。
誰に言うでもなく、心の中でそう呟いた
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沙耶(プロフ) - sim__39さん» 何回もなんて、本当に嬉しいです( ; ; )前作でもコメント頂いて、ありがとうございます!頑張ります。 (2021年11月5日 19時) (レス) id: 23c6546d41 (このIDを非表示/違反報告)
sim__39(プロフ) - 待ってました(*_*)過去作何回も読み返してました⸜❤︎⸝ (2021年11月5日 1時) (レス) id: cc6cd8f438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙耶 | 作成日時:2021年9月5日 23時