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やまとside
電話を切ってほんの10分程で、Aは来た
まるで、俺からの電話を待ってたみたいな早さで。
お互いに向き合ってテーブルを挟んで座る
カチ、カチという時計の秒針しか聞こえない
沈黙に耐えられなくて、俺は早々に切り出した
「報道のあれ、どういうこと?A。ドラマの宣伝か何か?」
A「ううん、そのまんまだよ。あそこに書いてあることは、全部事実」
「は、ちょっと待って。ドラマを盛り上げるためのでっち上げじゃなくて?」
A「違う」
「じゃあ、Aは浮気してたってこと?」
A「そう、でも付き合ったのは最近だよ」
「何で?俺と別れたくなったんなら、そん時そう言えばよかったじゃん」
A「そうだよね。ドラマの流れでいつの間にか好きになっちゃって、言うタイミング逃した。ごめん」
Aがあまりにも落ち着いていて
申し訳なさそうな様子が微塵も無いことに無性に腹が立つ
A「じゃあちゃんと言う。他に好きな人ができた。だから私と別れて、やまと」
「じゃあ、って何だよ。まるでバレたから仕方なくみたいな。ニュースが出てなかったらずっとそのまんまのつもりだったわけ?」
A「それは、、分かんない」
「…そうかよ分かったよ、もう良いわ。別れよう」
Aは静かに席を立つと
俺の部屋にある荷物をまとめ始めた
俺はまだ気持ちの整理がつかなくて
まだどこかぼーっとしながらAの行動を見つめる
━━━━━━━━━━━━━━
A「じゃあ、、、
「A」
ドアに手を掛けて、出て行こうとするAを思わず呼び止めた
Aが他の男を好きになったなんて
俺のことを好きじゃなくなったなんてまだ信じられなくて
どうしてもそんな風には思えなくて、引き留めてしまった
視線がぶつかる
でもAはまるで出逢った頃みたいに、知らない人を見るみたいな目で俺を見てる
ああ、終わりなんだ
もうAは俺のことを何とも思ってないんだ
視線一つで、悟った
だったらもう、俺はこのまま身を引くしかない
「A、、今までありがとう」
A「こちらこそありがとう。さよなら」
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沙耶(プロフ) - sim__39さん» 何回もなんて、本当に嬉しいです( ; ; )前作でもコメント頂いて、ありがとうございます!頑張ります。 (2021年11月5日 19時) (レス) id: 23c6546d41 (このIDを非表示/違反報告)
sim__39(プロフ) - 待ってました(*_*)過去作何回も読み返してました⸜❤︎⸝ (2021年11月5日 1時) (レス) id: cc6cd8f438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙耶 | 作成日時:2021年9月5日 23時