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Yamato.s

プールサイドで見学中

横から転がってきたサッカーボールをキャッチすると
すぐにマネージャーの子がパタパタと走ってきた

『すみません！ありがとうございます。』

少し困ったような顔を浮かべながらやってきた明るい声は
いつも男だらけのプールに居る俺の耳に、心地良く響いた

「…25番着てる奴、蹴り方的にまたこっち飛んでくると思いますよ。」

つい最近、広夢さんがこの子と付き合い始めた事実を知って、引き留めてみたくなった

あの広夢さんが好きになるってどんな子なんだろうって
少し興味が湧いた

そしたら、思いがけず
分析が得意なんですね、とか予想外のことを褒められた

運動で良いことを言われた経験なんてほとんど無いから
不意のそれに恥ずかしくなった、と同時に

こっちは若干の下心込みなのに…純粋な子。

そんなふうにも思った

『見学してるってことは、故障とかですか？』

俺の言葉通り、素直にその場に留まったまま
彼女は質問を投げかけてきた

「この間の大会で足やっちゃって。しばらくはこのまま」

『そうだったんですね。大会お疲れ様です。
それからあの…今更なんですけど、先輩ですか？』

言いづらそうに何を聞くのかと思ったら
急に話の舵を切るから面白かった