女だって喧嘩して何が悪い

わからない ページ49

『…ありがとう』


大寿「…少し経ってからコンビニから出ろ。」


『えっなんで「じゃあな」』


そう言い残し、コンビニから出ていった大寿。


なんで出たら駄目なんだろう…でも大寿君が言うならそうしようかな


時間を潰す為、再び商品を眺めてから家に帰路についたのだった。






___________



翌日になり、朝から兄の病室に入っていった。


病室には静かに寝ている兄…いや、中々目覚めてくれない兄がベッドで横たわっていた


『…兄さん、いつになったら起きてくれるの？


　それともまだ、素敵な夢の中にいるのかな』


真一郎君が生きていて、一緒にバイクに乗っている夢なのかな


恵まれた家族の夢を見ているのかな


それは私と二人でいる時よりも…素敵な夢なのかな


涙を流したいのに流れてくれない。


あの日から私は(俺は)涙を流す事も


心から笑える事が出来ないよ＿


『御願い、起きてよ』


手を握り、必死に叫ぶが起きてはくれない。


目覚めてくれない事はわかっていても、からかってわざと起きないだけじゃないか等と都合のいい方に考えてしまう







もういっそ、オマエがいない方が。





プツンという音と共に何もわからなくなった


精神的に過度に負担がかかりすぎて正常な判断が出来なくなっていた。


味覚も痛覚も自分も感情もわからない


全部全部…わからないよ


誰か…教えてよ


なんて、誰も助けてはくれないのにね。

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