もしもね。 (ページ10)

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○ ページ10

北「何で？何も変じゃないよ？」

ぱっと手を振り払われたと思ったら、北斗は悪口を言ってきた子をまっすぐ見て言った。

北「たいにぃはね、すっごく優しくて、何でもできるんだよ？
遊んでくれるし、絵本も読んでくれるし、お料理もできるんだよ？」

子供A「でもっ、歩けないなんて変だよ！普通じゃないよ！」

北「ほっくんにとっては普通だよ？普通のお兄ちゃんだよ？
何も変なことなんてないよ。
たいにぃは、世界で一番優しいにぃなんだよ！」

びっくりした。

北斗が、こんな事を思ってたなんて。

それにいつもいじわるを言われるとすぐに目にいっぱい涙を溜めて母さんや俺に泣きついてくるのに。

そんな北斗の姿に呆気にとられていると、

北「たいにぃ、帰ろ？ほっくん、お腹すいたぁ！」

大「え、あ、うん。じゃあ、お邪魔しました…。」

車椅子を押していると手を繋げないので、代わりに北斗はぎゅっと背中のグリップを握りながら帰路についた。