もしもね。 (ページ20)

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○ ページ20

優「おぉ大我〜久しぶり〜。北斗もおっきくなったね〜！」

優吾くんはお隣に住んでいて、看護師として働いている。
小さい頃から俺のお兄ちゃんのようによく面倒を見てくれていて、今はたまたま連休が取れて実家に帰ってきているらしい。

大「優吾くん、ごめんね…。」

優「いいのいいの、だって家で暇してたし。それに久しぶりに会いたかったしね〜！」

北「ゆうにぃ、こんにちは！」

優「北斗〜！なんか見ない間に少しお兄ちゃんになったんじゃない？」

北「ほんと？ほっくん、ちょっとお兄ちゃんになった？」

優「なったなった！この前までは俺の顔見るだけでギャン泣きだったのになぁ〜…。
で、大我は、体調どう？」

大「ちょっと、寒いかも…。」

優「朝37.8℃だっけ？まだ熱上がるかもね…。毛布足そうか。靴下とか履く？」

北「！！靴下はほっくんやる！！」

優「お、じゃあ北斗に任せた！」

北斗は毎朝起きると俺に靴下を履かせてくれる。

小さな手で俺の動かない足に一生懸命靴下を履かせてくれるのだ。

北「たいにぃ、足、冷たいねぇ…。」

大「そう？でも北斗が靴下履かせてくれたから。もう少しであったかくなってくるよ。」

北「ほんと？たいにぃの足、あったかくなぁ〜れ！」

そう言いながら筋肉のない俺の細い脚をマッサージしてくれる。

この小さな手の温もりを感じられないのが、いつもちょっぴり悲しい。

優「偉いなぁ、北斗〜。ほら大我も、冷えピタだけは貼っとくぞ。あと身体の向きも変えとこう。」

大「ん…ありがと…。」

優「褥瘡できたら大変だしな。また時間見て体勢変えるから。さ、寝れるなら寝ちゃいな。北斗は俺が見とくから。
ほら北斗、向こういこっか。」

北「うん…。たいにぃ、また来るね。」

大「ありがとぉ、北斗…。」

優「また様子見に来るから。おやすみ、大我。」

2人が部屋から出ていくと、知らないうちにはってた緊張が解けたのか、途端に眠くなってその後すぐに眠ってしまった。