もしもね。 (ページ16)

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病院で診てもらった樹は、幸い肺炎などにはなっておらず低酸素による一時的な意識障害だったのだろうと。そして大事をとって一晩入院することに。

ちいさな顔に大きな酸素マスクを付けられ、真っ赤な顔ではふはふと息をしている樹。

樹「…ん、パパ…？ここ、びょーいん…？」

優「そ、病院。樹、どうしてあんなことした？パパに黙って出ていくなんて…。ジェシーがいなかったら死んでたかもしれないんだぞ？分かってる？」

樹「…だって…、はぁっ、はぁっ…」

優「だって、なに？」

樹「遠足、行きたかった…！はぁっ、初めてだったから…！」

優「うん、パパも樹が遠足楽しみにしてたこと知ってるよ。でもさ、先生との約束破って、勝手に酸素外して行こうとするなんて…。
パパも心配するって思わなかった？」

樹「…思った…。」

優「うん、だよね。ジェシーだって心配で泣いちゃってたんだよ。それに、心配って言ってジェシー遠足行かなかったんだから。」

樹「…え、じぇし、遠足行ってないの…？」

優「そうだよ。今は泣き疲れて寝ちゃってるけど…。
みんな樹の事が大切で少しでも元気に過ごしてほしいって思ってるの、樹分かってる？
パパだってそうだよ。樹がジェシーに抱えられて帰ってきた時、パパも心配でどうにかなりそうだったよ…。」

体調の悪い時にこんなに説教はしたくはないが、きっと今ちゃんと言わないとまた同じことの繰り返しになってしまうだろうと、心を鬼にして樹に言い聞かせる。