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貴方side
「あれ？ドンキホーテも傘ないの…？」
「俺は傘なくとも、ほらな。」
俺の頭上に形作られていく糸の傘に、耳郎の口からわぁ、と関心する声が漏れた。
話ぶりからして、雨が止むのを昇降口の前で待ってるのか。
この大雨で傘忘れるとか災難だな
「…ドンキホーテは凄いね。ちゃんと個性を自分の物にしてる。でもウチは…」
「もしかして、今回の期末試験のこと？」
「うん。試験でマイク先生と対峙した時にウチ気付いちゃったんだ。先生は同じ音の個性として超えることが出来ない…完全な上位互換だって。」
「…ホークスとベストジーニストは知ってるか？」
「緑谷じゃなくとも誰だって知ってるよ。ヒーロービルボードランキングNo.3と5で、個性は…」
ホークスの個性は、翼の1枚1枚の羽根を思いのままに操れる『剛翼』
そしてベストジーニストは、自他関係なく繊維を自由自在に操れる個性『ファイバーマスター』
俺の言いたいことが分かったのか、耳郎はハッとしたように口をつぐむ。
「そう、この2人は俺の上位互換だって言われてる連中。俺はそう思ってないけど。…例えばコレ」
ホークスにいたっては、雄英のホークスなんて呼ばれる俺への僻みな気もするけど
俺は、頭の真上にできた傘もどきを指差す。
「俺は糸を生み出して傘を作れるけど、ベストジーニストは違う。服の繊維を使って傘を作れば、繊維にもよるけど雨水は染みるし服は濡れる。ホークスだったら剛翼で雨はしのげるかもしれないけど、完全なる傘を作るのは難しい。」
その他にも色々あるけど、ここでは割愛しておく。
つか、ドンキホーテ様の能力が劣等とか有り得ないし、俺が許さないから
「マイク先生だって、ヴォイスで他の音を跳ね除けられるけれど、お前のようにイヤフォンジャックで他の音を聞き寄せることはできない。」
叩きつけるような雨はいつの間にか止んでいて、雲の隙間から日もさしていた。
雨で濡れた地面が、陽の光でキラキラと輝く。
「考え方によっちゃ、上位互換は俺らの方だ。そうだろ？」
「…っ！ドンキホーテありがとう！私ちょっと忘れ物したから学校戻るわ！！」
耳郎は、晴々とした顔で職員室の方へ駆けて行った。
これから自主練の申請をするようだ。
「傘、必要なかったな。」
俺は大きめに作った傘の糸を解いた。
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オタク - え？神作見つけてしまった...は、？好き。あ〜〜〜、もう大好き過ぎるー...10回くらい読み直してきますね！(洗脳済み) (11月7日 16時) (
レス) @page30 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
天草 礼(プロフ) - めっちゃ読み返してます、、、。面白いです!!頑張ってください！ (2023年3月13日 16時) (レス) @page32 id: 79a8983217 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - また来てしまった…でも何回読み返しても面白いデスゥ (2023年3月8日 21時) (レス) id: e05df9e8cf (このIDを非表示/違反報告)
kot(プロフ) - とても面白いです続き待っています! (2023年2月25日 21時) (レス) @page31 id: 68d4baa64e (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - 1日で全部読んじゃいました…続きひたすらに待ってます。その間に主様の他の作品も読みまくらせていただきますぅぅぅぅぅ！！ (2022年12月4日 12時) (レス) id: 04f1c58536 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2021年10月22日 21時
