20 ページ20
過去
「恨むならひとりで外出した自分と、父親のエンデヴァーを──グハッ！！」
「登場早々すんませーん。ちょっと飛ぶのに失敗しちゃってー」
男を踏み付けながら、Aはけろりと笑った。
やはりコイツは、小学校にいるどの同級生とも違った。
「ショートォ！くん。怪我ない？」
「毎回言ってるけどお父さんの呼び方で呼ばないでよ。」
「このクソガキ共ぉ…！！ぶっ殺してやる！！！」
「A危ない！下がって！！」
俺は咄嗟に前へ出て氷結で壁を作った。
自身があったんだ。
他の子供より俺の方がずっと強い
その自信が仇となった。
「そんな薄い氷が効くかよバーカッ！！死ね！」
「そん、な。」
「ッガ！？」
男が突然、首を掻きむしりながら苦しみはじめた。
その首にはピアノ線のような細い糸がくくられている。
「死ぬのはテメェだ。」
目は充血し口から泡を出す男を、Aはただ見下す。
「タフだな。まだ気絶しねェのか」
男を見るAの瞳は、恐ろしく冷たい。
「も、もうやめろ！本当に死んじゃう！！」
「…あぁ、ごめん。子供に見せるようなもんじゃなかったな。大丈夫か？ケガとか──」
「ッ、」
差し伸べられた手を、俺は払ってしまった。
「……あ、ちがくて…！今のはっ、」
「ごめんな。」
「待っ──
「焦凍ォ！！！なぜ勝手に外へ出た！？お前はしばらく飯抜きだ！！」
ーー
ー
「それ俺やん…」
「そうだお前だドンキホーテ。まさか雄英で会えるとは思ってもいなかったけどな。…にしてもクソ親父まじでうぜぇな。」
「自分の記憶にキレるなよ…」
でもまぁ、飯抜きは酷いな。
俺だったら飢えて幻覚見てると装って父親に噛み付くぐらいしちゃいそう。
え？そこまではしない…？じゃあ今度同じことされたらやりなね。
「救ってくれたお前の手を俺は払ってしまった。『ごめん』本来その言葉を言うべきは俺だった。だから今言わせてくれ。
──助けてくれてありがとう。あの時は悪かった。」
こんな俺に頭を下げるなんて律儀だなぁ
てっきり、俺に触れば火傷するぜ？的なキャラかと思ってた。
「あっそ。過去のシコリが取れて少しはスッキリしたか？」
「……あぁ。時間取らせて悪かったな」
「別にいいよ。俺もスッキリしたから」
轟はパチクリと瞬きをし、薄く微笑んだ。
「……そうか。」
覚えていてくれてたんだな。俺のこと
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1487人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひゅーまん - ワンピースの漫画【頂上戦争編】読み返した後に見たから、おもわず叫びました。バチクソ面ろいです。頑張って下さい！ (2022年8月28日 18時) (
レス) @page32 id: ddf55ed9f9 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 覚えたくない豆乳鍋さん» 回想されててわらいました(笑)ヒーローがゴシップされた時の見出しめっちゃ面白そうですよね！考えてて楽しかったです。わ (2021年10月17日 20時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
覚えたくない豆乳鍋(プロフ) - ホークス、、やっちまったな。いいやつだったよ、、、。あと、見出しの言葉が天才すぎる（笑） (2021年10月16日 19時) (レス) @page47 id: 0712a95b78 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - しだれ桜さん» ありがとうございます🥰！ (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
しだれ桜 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2021年10月12日 21時) (レス) id: d145562072 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2021年9月12日 17時
