ヘルプミー!! ページ26
貴方side
「こうも早く再会できるとはな…A。」
あの子をまいていたら、それ以上に厄介な人に見つかってしまった。
拳銃の銃口を私へ向ける赤井さん。
記憶の中よりも濃くなっている目の下のクマに、
医者として生活習慣の改善を助言したい所だけど、言ったとしてもこの人は聞かないだろう。
「まさか組織のデータを持ち逃げした犯人がお前だったとはな。」
『私も本当に盗めるとは思ってませんでしたよ。』
「組織のとは別に、何故あのデータを盗んだ?」
『なんのことです?』
「とぼけるな。確かに他のデータに関しては素人のような引き抜かれ方をしていた。だが、一箇所だけ巧妙に細工され、抜かれていたデータがあった。…それこそ、プロのような手口でな。」
ベルの予想通り、赤井さんが現場にいれば騙せていただろうに…
どうしてこうも私の周りは、勘の鋭い人が多いのか
「言っておくが、そのイヤホンからあの女に合図を送っても無駄だぞ。」
『…殺したの。』
「いや、だが深傷は負わせてある。捕まるのも時間の問題だろう。」
『へぇ、そんな腕を持った人がFBIにいたんだ。』
「あぁ、彼はとても有能だ。日本のモノなのが惜しい。」
『…まさか、ひろ君がここに?』
私がそう問えば、赤井さんはニヒルな笑みを浮かべた。
そっかぁ、修行後ひろ君こっちへ来ちゃってたか…
やっぱりこの作戦は無謀だったよ。ベル
『そうだ。連続殺人犯の特徴って覚えてます?ここはFBIが包囲しているエリアの外れ。一本向こうの通りには、観光客も多いブロードウェイ。』
「…まさか、待て!やめ──
『ぎゃぁぁあああ!助けてぇえ!!』
「今すぐ黙れ!でないと撃つぞ…!」
『ヘルプミー!!ヘルプミー!!!』
赤井さんを無視して大声で助けを呼べば、案の定、何の騒ぎだと隣の通りから人が集まりだした。
「どうした!何の騒ぎだ!?」
「おい!見てみろよあの男…!!」
「長髪で日系の男…間違いない!連続殺人犯だ!!」
「アイツ銃持ってるぞ!?」
騒ぎを聞きつけた警官がこちらへ走ってくる。
これに乗じて逃げさせてもらいまーす!
『ヘイポリス!ここに若い女ばかり狙う変態殺人犯がいるぜ!!』
「俺は殺人者じゃない!待て逃げるな!!」
「そこの男!止まりなさい!!」
「ふざけるな、俺はFBIだ!」
「見え透いた嘘を…!!」
その後、何発か発砲音が聞こえたけど
あの赤井さんなら、きっと大丈夫だろう。
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仮面タロウ(プロフ) - 作者の仮面タロウです。たくさんのコメントありがとうございました!長い間返信しきれずすみません。実は私のうっかりで占ツクにログインできなくなってしまい更新出来ずにいました。移行にご不便かけますがよろしくお願いします。 (2022年4月25日 12時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - 続きが気になりすぎます、!待ってます (2022年4月1日 1時) (レス) @page33 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 仮面タロウさんのお話、めちゃくちゃ面白くて大好きです!特に好きなのは工藤姉は弟が嫌い!シリーズとミスポッターシリーズです。更新頑張ってください‼︎ (2021年12月31日 23時) (レス) @page33 id: cf1d4c666e (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ハリー・ポッターだけでなく名探偵コナンの夢小説まで書けるとは。素晴らしいです!どちらも大好きなので無理せず書いて頂いたら嬉しいです! (2021年2月17日 21時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年11月27日 18時