20_ピアノソナタ 月光 ページ20
コナンside
「ごめんね…コナン君。こんな醜い大人の姿を見せてしまって。」
「誰だって人を憎むし恨んだってする。本当に醜いのは、それを恥じない人の事を言うんだよ。」
「コナン君…」
「…それに、先生の手はまだ綺麗じゃないか。なるみ先生は醜くなんかない。」
「っ、ありがとう…ありがとう、コナン君…」
人間は変われる生き物なんだから、
その心があれば、きっと彼女…
いや、彼は大丈夫。
楽譜を握りしめ、すがるように泣くなるみ先生の手を握った。
これ以上、この人が傷つかないように、
優しく、けれどしっかりと
「ピアノの中に麻薬がある事を警察に摘発したのは、なるみ先生…?」
「いいや、俺じゃないよ。麻薬を見つけたのも、父が俺に宛てて書いた、この暗号の楽譜を見つけてくれたのも、彼なんだ。」
そう、指差す先にいたのが、先ほどなるみ先生を慰めていた少年だった。
俺は事情聴取の為に警察に連れて行かれるなるみ先生を見送った後に、その少年の元へ向かった。
「お兄さん、よくピアノの中にある麻薬や、暗号の楽譜を見つけられたね。どうやって見つけたの?」
『心霊スポットとか呪い系を見るのが好きでね。怖いもの見たさに麻生圭二の怨念が染みつくピアノのある公民館に入れてもらったら、ニオイがしたんだ。』
「臭い?」
『そう、麻薬のニオイがね。』
「っえ!?麻薬は気化しない場合ほぼ無臭。そんな麻薬探知犬じゃあるまいし分かるものなの?それにお兄さんなんで麻薬の臭い知ってたの??」
『…人より鼻が効くんだよ。この前ラリった男に無理矢理連れてかれた先が巨大な麻薬出荷工場でねぇ』
キツイ臭いに体調を悪くし、養生がてら来た小さな島で、再び麻薬を嗅ぐことになったのだそう。
「もしかして、都内であった麻薬事件って…」
『俺が通報したやつだよ。』
そう言い、彼はどこか遠い目をした。
他に麻薬はないか倉庫を探っていたら、暗号の楽譜を見つけたのだそう。
『それより、少年こそ…どうして麻薬が気化しないと無臭だなんて知ってんの。』
「えー、いや、テレビで聞いたことあって…!それより、お兄さんの名前はなんて言うの?僕は江戸川コナン!!」
『……熊狩だよ。宜しくね、コナン君。』
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仮面タロウ(プロフ) - シズキさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(*^^*)何度か見直してるですけど減らなくて…、更新頑張ります! (2019年11月29日 23時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
シズキ(プロフ) - 仮面タロウさん» 凄く面白いですっ!!シリアスのようでユーモア溢れた会話やストーリ本当好きです!誰だって誤字はありますよ〜。これからも応援していますっ!! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 0b065aa661 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます( ;∀;) (2019年11月27日 18時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 32話に誤字がありました。「手見上げ」ではなく、「手土産」です。 (2019年11月24日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます! (2019年11月23日 19時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年11月9日 14時