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降谷side
ドゴ…ゴリッ……ゴリゴリ…
キッチンから、絶対にしてはいけない音が聞こえてくる。
「相変わらず物騒な調理法をしているな…」
『
「…そういえば、アイツがこの調理法を初めて見た時、驚きのあまりお前に手錠かけたって言ってたな。」
彼女は俺を見て固まった。
俺がヒロの話をするのは、殉職してから初めてだったからだ。
だが、それも一瞬のことで、何事も無かったかのように調理していた手を動かす。
『…そういえば「キッチンで手錠ってどんなプレイだ」ってツッコミ入れたら顔真っ赤にして、怒ってましたね。』
「ヒロはあの手の話が得意じゃなかったからな。」
『思春期の中学生みたいな反応するから、からかい甲斐がありましたね。』
「っふ、アイツも散々だな。」
久しぶりに聞いたな…
アイツを肯定しない声なんて
《彼は、警察官の鏡だ。》
そう、誰かが言った。
《何にも屈しない強い心を持った警察官でした。》
ヒロは優しかったが、それ故に弱くもあった。
組織の任務ではじめて人を殺した時なんて、俺に隠れてひとりで泣いていたし、最後の最後までその事を悔やんでいた。
けして、アイツは強くなんてなかった。
《俺もあの時、諸伏さんに……》
違う…！あれは、偶然通りがかっただけだ。むしろアイツは、目立つ正義を嫌っていた。
ひとりぼっちで泣いている弱者を、こっそり助けて満足するような…そんな男だった。
人は、忘れ去られた時が本当の死だ。
ましてや、生きた証拠を消し、写真すら残さない俺らにとって、心の中の記憶や思い出は、かけがえのないもの
孤独も、弱さも、悲しみも
全て、アイツなんだ。だから…
『こんな私に手を差し伸べるほど馬鹿みたいに優しくて、いい歳して上司さん離れが出来ないような…
そんな人が、潜入捜査官だなんて、最初から向かなかったんすよ。』
「……そうだな。」
不覚にも、涙が出そうになった。
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仮面タロウ(プロフ) - シズキさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(*^^*)何度か見直してるですけど減らなくて…、更新頑張ります！ (2019年11月29日 23時) (
レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
シズキ(プロフ) - 仮面タロウさん» 凄く面白いですっ！！シリアスのようでユーモア溢れた会話やストーリ本当好きです！誰だって誤字はありますよ〜。これからも応援していますっ！！ (2019年11月29日 22時) (レス) id: 0b065aa661 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます( ；∀；) (2019年11月27日 18時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 32話に誤字がありました。「手見上げ」ではなく、「手土産」です。 (2019年11月24日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年11月23日 19時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2019年11月9日 14時
