絶対にクビにしてやる１【名探偵コナン】【降谷零】

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俺には放って置けない
危なっかしい部下がいる。






「俺の代わりに、潜入中の降谷さんと接触して欲しい。」


『………え、』






露骨に嫌な顔をしている部下は、とてもじゃないが成人女性には見えない。

見た目性格共に、16歳ほどの少年に見える。



俺の上司である降谷さんも、顔は幼いと言われる事が多いが、それに比べても随分と若く見える。

公安に入ってきた初日の挨拶で、女性だと知った時は二重の意味で驚いた。








『なんで、私が』


「分かってくれ、今俺は手が離せないんだ。それに、“あの人”と接触できるのは、俺とお前だけだ。」








そう、警視庁の公安部で“ゼロに所属する”あの人と接触出来るのは、俺と彼女だけ

先月、潜入中に殉職した捜査官の後処理に追われ外に出れない俺の代役に、彼女を選んだ。








『この顔で外出てもいいんすか？』


「…念のためにマスクを付けてラフな格好で行け。」









彼女の右の頬には、一本大きな傷痕が刻まれている。

聞けば「熊狩りに行って返り討ちにあった。仕留め損ねたのは、未だに悔しい」との事




おい女刑事が熊狩りってどういう事だ。お前悔しいって…また行く気じゃないだろうな！？

それに対するアイツの答えは、沈黙だった。




あ、コレやってんな。









「……頼むから俺に、部下へ手錠を掛けさせるな事だけはさせるなよ。」


『たかが接触だけで大袈裟ですって〜』


「しょっちゅう通報・補導される警察官に言われたくないな。」


『……それ、私の前じゃ禁句っすよ。』








彼女は未だに、深夜に帰宅すると9割ほどの確率で補導されるらしい。



過去にも、彼女が外で捜査をしていた際、聞き込み中、一般の方々から怪しまれ、
《警察手帳を提示する不審な少年》として通報された経緯がある。

…さすがにあれには同情した。



確かに、あの傷跡と死んだような目をした彼女は、とてもじゃないが警察官には見えない。

他人の記憶に残りやすい外見の為、捜査にはあまり向かず、今まで裏方に徹してもらっていたが







それがまさか
こんな形で身を結ぶとはな…

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