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櫻母「へー、じゃあバスケ部に入ることにしたの。」
和「うん。相葉さんとね。」
櫻母「カッコいいじゃん！」
和「…うん。」
櫻母「それより残念ね〜。和子さん、和君の入学式なのに休み取れないだなんて。」
和「いつものことだから、仕方ないよ。」
櫻母「まぁ、そうね。今日はウチに泊まったら？」
和「いや、今日はいい。」
櫻母「…そう。それにしても、翔帰って来るの遅いわね。和君のお祝いだっていうのに。」
和「…ちょっと、外出てくる。」
俺は、近くにはいるだろうと思い家の周辺を探すことにした。
あ、いた。
和「翔ちゃん！」
翔「かず！？なんで。」
和「翔ちゃん帰って来るの遅いから探しにきたの。」
翔「ごめんごめん！」
和「大会近いからって、頑張りすぎじゃない？」
翔「あっ、やっ…違っ」
和「？…何？」
翔「これ、」
そう言って小さな袋を渡してきた。
中をあけると、紺色のシンプルなペンが出てきた。
翔「入学祝い。何買うか悩んでて、そしたらこんな時間になってて。」
翔ちゃんは、ひどい。俺のために悩んでくれたとか。悩んでこんな時間になったとか。
違うってことはわかってるけど、期待しちゃうじゃん。あー、ばかばかしい。俺、自意識過剰になっちゃうよ。
和「バカ。」
翔「へ？」
和「…ありがと。大事に使う。」
翔「ん。」
和「あっ、帰ろ翔ちゃん！翔子さん(櫻母)が怒ってる！」
翔「やべっ！早く行こ！」
まあ、案の定、ね。
櫻母「こんな時間まで、部活があったの？」
翔「えっと…。」
櫻母「あったなら、学校に電話して確認するけど？」
うわ。マジで電話しそう。
和「…あの翔子さん…」
櫻母「和君は黙ってて。」
和「…はい。」
櫻母「今日和君のお祝いの日よ。その日くらい早く帰って来なさい。」
翔「…あの…」
櫻母「何？」
翔「いや、誠に申し訳ありませんでした！」
櫻母「じゃあ、着替えてきて料理運んでくれる？」
翔「かしこまりました！」
そう言うと翔ちゃんは大急ぎで自分の部屋に行った。
プッ。翔ちゃんはほんとにかわいいんだから。
自分でわかってんのかな？好きで好きでどうしようもない。
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
