story 35 ページ36
翔「えっと、」
翔ちゃんちの玄関
久しぶりに来たから、翔ちゃんは面食らったみたいだ。
和「勉強教えて。」
翔「…わかった。」
やっぱり、断らないと思った。
翔「最近来なかったからびっくりしたって…
来なくさせたのは
俺、だよな。」
苦笑いを浮かべ、早々に二階へと上がってしまった。
追いかけて
和「そうでもないよ。ちょっと忙しかっただけ。」
翔「そっか。」
和「翔ちゃん、あのね、」
翔「とりあえず部屋入ろう？」
そう言ってドアを開け、クーラーを入れた翔ちゃん
俺もいつもの定位置に座る。
告白なんかできない、
でも俺の気持ちは伝えたくて、
でも怖くて、
でもずっとずっと好きで、
多分一生好きだ。
和「翔ちゃん、話があるんだけど。いいかな」
翔「……いいよ？」
翔ちゃん、ごめんなさい。
気持ち悪いと思うだろうし、ドン引きすると思う。
俺は男で翔ちゃんも男。それはわかってるの。
この関係だって壊したくないけど、それでも、
俺は、貴方のことがとてつもなく好きだ。
受け入れてくれるとは思ってない、けど俺は強くはない。
だから、俺たちは今この瞬間で終わる。
ごめんなさい。
和「翔ちゃん俺、翔ちゃんのことが好き。」
固まった翔ちゃんが歪んで、
これから降ってくる聞きたくない言葉を遠ざけたい。
やっぱり、翔ちゃんには嫌われたくないや。
この思いも否定はされたくない。
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
