story 31 ページ32
夏休みは明け、平凡な日常が戻ってくる。
気まずくて、朝翔ちゃんとは一緒に行っていない。
今まで翔ちゃんに怒られたことなんてなかった。ましてやケンカもなかった。
なのに、俺が高校生になってからそういうのが増えた気がする。
昔から一緒に居て、優しかった翔ちゃんが
最近はイライラしてることが多い。
って、最近会ってんのかって言われたらそうでもないけど。
雅「そりゃ、反抗期だね！」
反抗期！？？？？
和「…あの翔ちゃんだよ？」
雅「なんでかわかんないけど、イライラして
本心じゃないのに傷つけちゃうの。
誰にだって反抗期はあるんだよ！」
和「…お前、反抗期ねぇーじゃん！」
雅「俺は選ばれた神の子だから。」
反抗期か…
確かにそうなのかも。
翔ちゃんが不機嫌になるのはただの反抗期だ。
そう思うと、いろいろしっくりくる。
…反抗期でも、俺には優しくしてほしいとか
そんなどうでもいい願いは、置いといて
翔ちゃんは、反抗期になってしまったのか
あの優しい、かっこいい、笑顔が可愛い
翔ちゃんが
とうとう反抗期に、
雅「って、俺のボケをスルーすんなよ！」
翔ちゃんに来てしまった反抗期
親だけじゃなくて、俺にも反抗しちゃうんだ
そうなんだ
潤「俺はそうは思わないけど。」
潤くん…
潤くんとも少し気まずい。
いや、俺が勝手にそう思ってるだけで
潤くんは今までと変わらない。
雅「そうは思わないって？」
潤「反抗期なんかじゃないと思うなーって」
和「…反抗期じゃないの？」
潤「さあね？俺、翔さんじゃないからわかんない。
けど、気持ちはわからなくもない。」
それ結局どっちなのよ！
潤「…なあ和、今日一緒に帰んない？」
和「…俺は部活ないけど。」
潤「俺も今日バイトないから。」
和「…そっか」
潤「ちゃんと話したいし。」
和「だね。」
やっぱりちょっと気まずい。
雅「俺も一緒に帰るー！！
って言いたいところなんだけど、店の手伝いやるんだった！！」
そう言って、うひゃうひゃ笑う彼はいつも空気を軽くしてくれる。
雅「俺も一緒に帰りたかったのに〜！
今度ウチ来てよ？
ニノと潤ちゃんは特別にチャーハン無料だかんね！」
そんな彼に何度助けられたか。
和「…ありがと。」
珍しく柄じゃないけど、感謝の言葉を言ってみる。
これは素直になる第一歩だ。
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
