story 27 ページ28
雅「海だぁー！」
そう叫んで先頭をきったのは相葉さん。
それに続いて海に飛び込んだ。
翔ちゃんと潤くんが。
智「入らないの？海、」
だって熱いし、濡れるし、焼けるし、ベタベタするから…
智「せっかく来たんだから、入った方がいいって！」
和「って言ってますけど、大野さんだって入ってないじゃないすか。」
そうだ、俺達は日影のテラスでのびのびとくつろいでいる。
大野さんなんかかき氷食べてて、舌が真っ青だ。
智「釣る方が好きなんだけどね。
…和が入るなら入るけど。」
和「入ってきたらいいじゃん。」
智「和が海行こうって言ったんだろ？」
和「みんなで行くと思ってなかったの！
俺の計画では二人だったの！」
智「マジで！？」
和「大野さん呼ぶとか言うし、大野さんもちゃっかり来てさ。
どんだけ暇なんだよ！忙しいとか言って断れよ！」
智「なんか、ごめんね。」
心のこもってなさそうだ。
ムカつく…
確かに、海って大人数で行くもんだと思うよ？
でもそんなの、誰でもいいじゃん！
海に誘った俺がダメだったのか。
失敗したなー
完全俺の選択ミスだな。
気持ちがずーんってなってるところに、
翔「智くんも入ろうよ！」
奴はやって来た。
程よくついた筋肉
濡れてオールバックになっている髪
キラリと光るへそピアス
その全てがまた、俺を甘酸っぱい気持ちにさせるんだ。
直視出来なくてそっぽを向く。
翔「智くん行こうって！ほらパーカー脱いでよ！」
出た。
智くん智くん
好きだね、智くん。
そんなに、翔ちゃん俺のこと見えてないの？
智「和も行こ？」
大野さんは悪くない、わかってる。
でも、どうしても、八つ当たりしてしまうのはなんでだろ。
和「…和なんて、馴れ馴れしく呼ばないで下さい。」
そんなこと気にしたことない。
今だって、別に何とも思ってない。
否定しようと思っても、ひどい言葉しか出てきそうになくて、やめた。
翔「おい、かずそんな言い方な…「行ってきたら？俺ここにいるから。」
俺が悪い。
わかってる。
わかってるから、今はそっとして。
願いはむなしく、翔ちゃんは突っかかってくる。
翔「かずいい加減にしろよ。
なんでそんな不機嫌なのか知らねぇーけど、海に行きたいって言ったのかずだからな。
…ちょっと頭冷やせ。」
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
