story 26 ページ27
そのあと、大野さんは集合時間ぴったりに来て五人揃った。
バスに乗り込むと何とも言えない微妙な席順になった。
和「何この席。」
翔ちゃんの隣がよかったのに。
もうはしゃいじゃってる三人は、
奥の席に行っちゃってて、他に空いてるのは二人掛けの席一つのみだった。
仕方なく大野さんと腰掛ける。
智「ごめんねー。隣が翔くんじゃなくて。」
ほんとだよ。
ついてないんだから。
智「海に行くってだけ聞いたんだけどさ、今日って泳ぐかんじ？」
和「そうだよ。」
智「そっか。海見たら、釣りしたくなっちゃうよね。」
和「釣りやってるんですか？」
智「日本にいるときだけだけどね。船で海を這うの。
今度一緒に行く？」
和「行きません。」
智「即答だね。」
和「船酔いがひどくて。行きたくても行けません。」
智「なんだ、船酔いか。松潤みたいな理由で嫌悪感丸出しなのかと思ってた。」
松潤みたいな理由…？
智「翔くんのことだよ。」
和「どういう意味ですか。」
智「そのまんま。翔くんが松潤に抱いてる嫌悪感と一緒かと思って。」
和「なお、意味わかんないんですけど。」
翔ちゃんと気持ちと一緒。
その行き先は、翔ちゃんは潤くん、俺は大野さん。
どんな気持ちが一緒なんだろう。
智「俺が余計なこと言ったね。
でも、今日は楽しむ日なんだから、難しい顔しないの。」
そう言われて、大野さんは俺の頬をつまんだ。
大野さんは
「もちもちスベスベすぎて、手が離せないー！」って、バスに乗っている間本当にずっと離さなかった。
和「そろそろ着くから離して下さい。」
智「ヤダ。」
ヤダ。って子どもかよ。
和「離して下さい！」
智「ヤダ。」
和「そろそろ離せや！」
バスの停止音とともに、翔ちゃん達が立ち上がった。
翔「智くん！行くよ！」
翔ちゃんはそう言って、大野さんの腕を引っ張りスタスタとバスを降りた。
そのせいで、俺の頬は解放されたけど。
なんだかなーってかんじ。
大野さんの方を自分の方に引き寄せるんですか。
あーそうですか。
雅「ニノも行くよー！」
そう言って、相葉さんは俺を引っ張り、バスから降ろした。
たぶん、一部始終を見ていた彼が色々考えた結果これだったと思うけど、完全にお前じゃねーよ状態だ。
相葉さんありがと。本当にいい友達だと思うよ。うん。本当に。
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
