story 22 ページ23
潤「大野さんって人の目的はなんなの？」
和「目的？」
潤「なんか意味があるからかずに言ったんでしょ。」
和「…かもね。」
潤「大野さんと翔さんってどういう関係なの？」
和「好き同士…？」
うん。たぶん。
潤「分かんないの？」
和「うん。」
だって、そんなの怖くて聞けない。
もしも、付き合ってまーすなんて言われたら、俺どうやって生きていったらいいのやら。
潤「バカだね。」
和「…だって、」
そんなニヤニヤして言わなくても。
潤「そんなだったら、告白はまだまだ先だな。」
和「俺、告白なんか、」
潤「動かないとなんも始まんねぇーよ。」
和「わかってるてば！」
食いぎみで少し大きな声を出してしまった。
和「…わかってるよ。
大野さんには嫉妬するし、
今の関係で俺は満足してない。
でも、
…やっぱり怖い。
拒絶されたらどうしようとか、キモチ悪いって思われたらどうしようとか
やっぱり考えちゃう。
潤くんの言ってることはド正論ってことも、俺が十分ヘタレだってこともわかってる！
でも、潤くんみたいにみんながみんな出来るわけじゃないんだ！」
…ヤバい。
止まらなかった。
なんでこんなに熱くなってしまったんだろう。
…自分でもどうしたらいいかわかってなくて、それを潤くんにぶつけたんだ。
俺、最低。
潤くんは、なんとも言えない顔で下を向いていた。
傷付けた、よな。
和「…ごめん。」
潤「いや、俺が悪い。自分の考え押し付けて。ごめん。ニノの気持ち全然考えてなかった。」
ウソつき
潤くんは、俺のことを考えて言ってくれた。
和「…潤くんのそういう真っ直ぐなところ、尊敬してる。」
潤「え？」
和「…ありがと。いつも俺のこと考えて背中おしてくれて。
それなのに、俺、ほんとごめん。」
潤くんの目をみて言う勇気がなかったので、つぶいたら、
ポンっと頭をはたかれたので見上げると、
潤くんはニカッて笑っていてもういーよ、と今度は優しく俺の頭を撫でた。
…潤くんは何故こんなにも温かいんだろう。
和「大野さんとどういう関係なのかだけでも、聞いてみることにする。」
潤「そっか。」
次の瞬間、
ガチャッ
翔「かず！！」
額に汗をかいた翔ちゃんが保健室に入ってきた。
俺たちをみて、その瞳が揺れたのは
気のせいだろうか。
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
