story 19 ページ20
ある日の帰り道、いつものように翔ちゃんの後ろにつかまり下校していると、
翔「なあ、かず。」
和「…何？」
翔「…智くんに会ったことある？」
…なんでそんなこと聞くんだろう？
まあ、あるけども…
智『今日ここに来たの翔くんには内緒ね？』
この言葉が脳裏に浮かび、
和「…ないけど。」
とっさに嘘をついてしまった。
翔「…そっか。」
和「どうしたの急に。」
翔「…えっと、いや、なんでもない。」
なんにもないわけないだろ。どんだけ焦ってんだよ。
和「…わかった。」
そしてこの謎の質問の意味が数時間後わかることになる。
プルプルプルプルプルプル
携帯がなったから画面を開くと、
？
何この数字。見たことがない羅列。
国際電話かな。でも、俺海外に知り合いいない…
いや、
ガチャ
和「…大野さん？」
智「よく、わかったね。」
国際電話ならあなたしか思い当たらなかった。
和「…なんで電話番号知ってんすか？」
智「翔くんに聞いたから。」
だから、翔ちゃん俺に大野さんと会ったことあんのかって聞いたんだ。
和「で、なんですか？」
智「別に大した用じゃないんだけどさ。
…翔くんさ、最近おかしくない？」
は？
智「だから、最近翔くんおかしくない？って」
おかしい？
和「…んと、２日前まで、鼻声だった。」
智「そーいうのじゃなくて、」
そーいうのじゃない？
和「あー、昨日はクマがすごかった。
夜中まで勉強してたみたいで。」
智「…やっぱり、和は鈍感野郎だね。」
和「…なんて？」
智「なぁんでもない。」
今は、なんかこの舌足らずの口調がムカつく。
和「で、翔ちゃんなんかあったの？」
智「和のほうが、翔くんに近いはずだよ？」
何が言いたいんだよ。
智「…まあ、このへんにしとくわ。
なんかあったら、相談してきてもいいよ。
和の電話ならすぐとっちゃる。」
プツ
切れた。
誰かかけるかよ。
国際電話高いし。
翔ちゃんのちょっとした変化に
大野さんは分かって、
なんで俺は分かんないんだよ。
"和のほうが、翔くんに近いはずだよ？“
そうだよ。
俺が一番近いんだよ。
なのに、なんで
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
