story 17 ページ18
潤「で、なんで告白しねーの？」
潤くんは、
綺麗な部屋を参考書や服でぐちゃぐちゃにしながら、俺に何種類もの布をあてていってる。
日曜日の午後、服のマネキンになってほしいからって潤くんチに呼び出された。
…マネキンって、扱い雑すぎませんか？
それに、変なこときかれてるし。
和「…告白。」
潤「まさか、考えたことないとか？」
確かに、
俺の気持ちに気づいてほしいと思ってる、
俺を見てほしいとも思ってる、
嫉妬しては自分のことが嫌になってる、
けど、告白をしようという考えには至ってない。
和「考えたこと、なくはないけど、」
潤「告白しようとは、思っていない？」
和「…うん。」
潤「マジかよ。…俺この前、簡単に諦めるなって言ったよな。」
和「言ったよ。」
潤「今から告白します、みたいな雰囲気で帰ってったけど？」
和「？………そう？」
潤「じゃあ、あん時も告白する気は？」
和「まったく。」
潤「あんなに背中押したのに？」
和「ごめん。」
潤「…告白したら案外うまくいくと思うけどなー。」
潤くんがそう言ったって怖いもんは怖いんだもん。
幼馴染で、男で、告白がうまくいく確率なんて１割もないだろう。
…俺翔ちゃんに引かれたらもう立ち直れない。
…死んじゃうかも。
これ真面目に。俺全部翔ちゃんで出来てるから。
潤「…いつから好きなの？」
和「気づいたのは中一、好きなのは多分会ったときから。
…重いでしょ笑。」
俺翔ちゃんにしかない…
愛しくてなんかぶわってこみ上げてくるやつとか、
自分ではどうにもなんない嫉妬とか、
俺だけが翔ちゃんの後ろに乗れる優越感とか、
そーいうの
全部翔ちゃんにしかない。
だから、そーいうのを失うリスクを背負ってまで告白しようとは思わない。
潤「…相当好きなんだね。」
和「…うん。」
潤「…よし。告白しよう！」
和「え、なんで。」
潤「…ニノのことだし俺が首を突っ込むところじゃないのは、わかってる。
けどよ、翔さんがもしも結婚するってなって…」
和「結婚！？…そんな、大袈裟な、」
自分でもびっくりするくらいの大声がでた。
潤「…そうでもないと思うけど。
…もしも翔さんが結婚するとして、ニノは心から祝福出来んのかって話。
大袈裟じゃないっしょ？」
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
