story 13 ページ14
……やっぱりだ。
やっぱりいない。
そりゃそうか。
今日、つまりちょっと喧嘩っぽくなってしまった日の翌日
いつも自転車にまたがって待っててくれてるのに
今日は翔ちゃんの姿は見えない。
…ちょっとでも俺のこと考えてるかな？
それならうれしいと思う俺は重症だろうか？
雅「ニーノちゃん！」
和「相葉さん！？」
雅「おっはー☆って、ニノいつも翔ちゃんに送ってもらってるんじゃなかったっけ？」
和「…えっと、」
雅「…やっぱり、けんかしてたの？」
和「してない！翔ちゃんが…なんか朝イチに部活のミーティングがあるらしくて、」
へぇー！忙しいんだねって、相葉さんはあんまり気に止めず、俺の腕をグイグイ引っ張りながら教室に入った。
まあ、日常茶飯事だからいいんだけど。
雅「ねぇねぇ！今日さ、翔ちゃんチ行ってもいい？」
和「は？何で？」
雅「え、だって今週末テストだよ！」
和「…てすと！？」
あぁー！そうだ今週末、中間考査だった！
すっかり忘れてた！
雅「…もしかして、忘れてたの？」
そんなニヤニヤしながら言わなくてもいいだろよ。
和「…わりーかよ。」
雅「いやいや、ニノちゃんでも忘れることあんだーって思ったら、テンション上がっちゃって！」
テンション上がるとこおかしいだろ。
雅「オレもすっかり忘れてたんだけど、潤ちゃんが教えてくれて！
オレさテスト勉強全然してなくて翔ちゃんに教えてもらいたいなーって思って！」
いやいや貴方の辞書にテスト勉強という言葉は載ってないはずなんだけど。
雅「母ちゃんに次、赤点取ったら父ちゃんの餃子二度と食わせないって言われてて。」
…単純なやつだな。
雅「ニノお願い！このとおーり！」
そんな事言われたって、
和「…今日翔ちゃん用事あるみたいだし。」
雅「そこをなんとか！」
和「無理だって。
翔ちゃんにとって俺より優先させることなんだから。」
大野さんが言ってたことは…
とりあえず気にしないでおこう。
翔ちゃんが智くんと会うって言ったんだから。
雅「ええー！そんなのないでしょ！」
これがあるんだって。
和「…とにかく、無理だから。」
───────
プルプルプルプル
ガチャ
和「…あ。もしもし翔ちゃん？」
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作者名：名香屋 羽衣 | 作成日時：2019年9月28日 17時
