独占.SC

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…目が覚めればまた朝が来ていて、リビングへ行くとスンチョルがスーツを着て身支度をしていた。



「お前はこれ着て。」



ヒョイっと投げられたその服は新品の女性ものだった。

フォーマルかつドレッシーな服。



「えと…なにこれ…」

「いいから。遅刻する。」



彼の考えていることはいつも理解できなくて違う世界にいるみたい。

急いでいるみたいだからとりあえず言われた通りに服を着て、彼のいる玄関まで行った。



「行くぞ。」



手を引かれ、半ば無理やりに車へ乗せられた。


到着したのは社長である彼の会社。

見上げると首が痛くなるほど高いビルで、改めて彼の凄さを実感した。



「掴んどけ。」



そう言って自分のスーツの裾を掴ませたスンチョル。

ちょっとキュンとしたとか言えないけど、彼が私にそうさせた理由がすぐにわかった。



「ちょっと誰よあんた。」



私に向けられたであろう尖った声。


それに反応して振り向く私に構わずズカズカと何も聞こえていないように進むスンチョル。

私はどうしたらいいか分からなくてオロオロしてしまった。



そんな私に気づいたスンチョルは私の肩を抱き寄せて歩いた。

いつもなら絶対こんなことしない。



今日は台風ですか？

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