1 ページ1
.
いつもの会社のオフィス。
カタカタとキーボードを打つ音、資料をめくる音、珈琲を喉に通す音…
誰が見ようとも『アットホーム』だとは言い難い仕事場。
少し堅苦しい雰囲気の会社で、僕は働いている。
毎日同じくらいの時間に出勤し、自分の席に座って、隣の席の人には最低限の挨拶をして自分の任された仕事に没頭する。
ここの人間はコミュニケーションがあまり好きでは無いのか、世間話をあまりしない。
…別に不便ではない。
そんなに人と深く関わり合いたいタイプでもないし。
まぁ逆に関わりたくない訳でもないけど。
起承転結の転の字の抜けた僕の日常。
それなりに幸福感は感じられているのではないかな。
もう少し波があってもいいと思うけど。
「ホン君、ちょっとこれ5階のオフィスに届けてくれないかな。」
課長に呼ばれ、程々に束になった資料を受け取った。
「5階ですね。分かりました。」
別に今日は急ぎの仕事もないし、仕方ないから行ってやろうと心の中で課長に威張りながらエレベーターに乗った。
僕のオフィスは6階。
1階分くらい階段で行けよと言われるかもしれ無いが、
僕も同じくそう思ったところだ。
乗って気づいた。
5階に着くと、うちのオフィスとはガラリと違う雰囲気に体が緊張した。
ワイワイと賑わう社員たち。
「あ、キムさんそこの資料取っていただけます〜？」
「もー仕方ないですね、後で珈琲奢りですよ〜」
そんな会話うちの階ではありえない。
長い間この会社に通っているというのに5階には来たことがなかったな。
うちのとこがこうならどうだろうとありえない想像を脳内で繰り広げながら、資料を持って足を進めた。
？「上の階の方ですか？」
話しかけられたと思えばいかにも周りから愛されてそうな男が話しかけてきた。
「あ、あぁ、そうです。資料を預かっていて…」
突然話しかけられたから驚きを隠せず少し動揺してしまった。
ゴソゴソと資料を渡そうとすると横から気の強そうな女性が首をにょき、と伸ばして声を上げた。
「うわ、イケメンじゃん。」
その声が思いの外大きく、ワイワイしていたオフィスの視線が全て僕に集まる。
ワイワイがザワザワに変わる。
？「もー、イェリンさん声大きいですよ。注目されて困っちゃってるじゃん。」
yr「ぁ…すみませんそんなつもりは…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「SEVENTEEN」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みゅな | 作成日時：2020年8月15日 0時
