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目が覚めたのは夜中。


別に珍しいことじゃない。


…少し外の空気が吸いたい。

そう思って、一糸まとわぬ体をムクリと起こした。


床に乱雑に置かれていたミンギュの大きめのパーカーを1枚羽織って、

ベランダに出た。


がらがら、と窓を開け、

ベランダ用のスリッパを履いて

肺に綺麗な空気を入れ込んだ。



「……」


…全然、空気綺麗じゃないし。

顔を歪めてしまうような濃いタバコの匂い。


お隣さん…?


体を乗り出してひっそりと覗くと、

細い瞳と目が合った。



「あ、ミンギュのせふれ。」


深夜の静かな外の空気に鈴虫が鳴り響く。

それに無理やり混ぜ合わさった彼の声は思いの外大きく聞こえた。


そんなことまで話すなんてミンギュ、このお隣さんと仲良いんだ。


「…どうも、」

「どーも。」


お気楽なお隣さんの話し方に思わずあっさりと打ち解けてしまいそうになった。


少しの沈黙に気まずくなる。


「……たばこ、よく吸われるんですか?」


気まずくなるのが少し嫌いな私は、話をふった。


「ん?…あぁ、これ?

いや別に、普通にまずいし好きじゃないけど……

吸ってみたってかんじ」


「吸ってみた…って……」


そんなテンションで吸うものなのか。


「吸ってみる?」

「……ぇ、いや…」


正直、タバコの匂いがあまり好きじゃない私は自分が吸うつもりなどさらさらなかった。

てか、一生吸わないと思ってた。

…のに。


「ん、…っ」


無理やりねじ込むようにくわえさせられたたばこは、

さっきまで彼がくわえていたものだ。


別に関節キスとかそういうの気にするタイプじゃないけど、


むわりと嫌いな匂いが肺に充満していくのを感じた。

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作者名:みゅな | 作成日時:2020年9月6日 23時

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