30 ページ30
「どうしたら許して……、いや、許してくれなくていいから………Aが好きな道を選んで。」
とにかく、また辛い思いをしないように、誰かに捕えられないように……幸せになって。
そう言いながらやけに明るい月の光に照らされた彼の涙は頬を伝い、キラキラと輝いて綺麗だった。
私の選んだ答えは______
__1年後。
働く場所が出来た私は、オフィスで後片付けをして帰る準備をする。
「じゃ、お先に失礼しまーす」
「ぇえ!Aさん仕事早すぎますよー!」
最近入ってきた新入社員の子に背を向けて手を振って、帰路へ早歩き。
今日のご飯は何にしようか、なんて考えながら歩いた。
がチャリと家のドアを開けた。
「ただいま。」
返事は返って来ない。
電気は真っ暗で、シンと静まり返っている。
「…はぁ、疲れた。」
ボフ、とソファに腰を下ろして、帰りに買った豆乳を一飲み。
タイツスカートのチャックを少し下ろし、スーツのボタンを外して開放感を味わう。
「あーーー楽ーーーー」
この時間が好き。
「何食べよっかなぁ……」
電気も付けずに薄暗い部屋で、キッチンに向かって立った。
冷蔵庫にあった野菜の余り物で野菜炒めを作る。
調味料は全部目分量で入れていく。
「このくらいかな」
ひと口味見をして、少しカッコつけて"悪くない"と呟いた。
「お、野菜炒め?」
「ぅわっ…!」
驚いた拍子にバランスを崩して倒れそうになった私を支えてくれたのは…
「…ジョンハン、おかえり。物音立てずに帰ってきたからびっくりした。」
「そりゃ、ビックリさせたんだもん。」
ニタリと意地悪く笑うジョンハンは、ハニの表情と一緒だった。
…でも、ちゃんと愛がある。
549人がお気に入り
「SEVENTEEN」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりあ(プロフ) - 初めまして。最後まで読ませていただきました。ジョンハンがハニだって分かった所あたりから泣いてしまいました...なんか、言葉に表すのが難しい感情です...私はこういう系のお話を初めて読ませていただきましたが、本当に良かったです。これからも応援してます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: 3890c4bb34 (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - ぴーよさん» なんて嬉しいお言葉を……(><)最高だなんて( *˙ ˙* )ほんとにありがとうございます~頑張ります! (2020年8月18日 23時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーよ(プロフ) - 読み終わりました...というより、読み終わっちゃいました泣 こういう系初めてで最初ちょっと躊躇してしまったんですが、もう最高です。読んでよかったですほんとに(>_<) とりまもう一ループしてきまっす (2020年8月18日 23時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - モノクロさん» 嬉しい言葉ばかりで、、、(喜)全部見ていただけたのですね、、、ただただ嬉しいです、、、(><)単行本!?!?!?笑笑そんな!これからも頑張ります、、!ありがとうございます~! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - すっごく面白かったです!!作者さんのお話全部、見させて頂いたのですが、もう本当にドストライクでして。単行本、待ってます。応援してます! (2020年8月18日 20時) (レス) id: 2b6a0ab99a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みゅな | 作成日時:2020年8月15日 15時