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「は、い…?」


長い前髪の隙間から相手の顔を見る。

…綺麗な顔…

少しだけ、少しだけ見とれていると彼はまた口を開いた。


「どーしたのその傷。」

「ぇ…」


私の右手を指さして言った。

私の右手は包帯でグルグル巻きになっている。

「こ、れは…その…転けちゃって…!」

それが咄嗟に出た嘘。


この傷は彼が、私の手に熱湯をかけたときに出来たやけど。

沸騰したばかりのお湯を遠慮なくかけられたのを覚えている。



「そっかー、じゃあそれは?」



今度は足元を指さした。

ズボンの裾から少しだけアザが見えていたみたい。


「階段の角で…」

「これは?」


私の頬に貼られたガーゼ。

殴られた証拠。


「昨日寝ぼけてて…」

「そっか。」


ニコニコと絶えず笑顔を向けてくる。


「今誰かと一緒に住んでるの?」

「…な、なんなんですか…誰なんですか…?」


何でもかんでもズカズカと聞いてくるから怖かった。


「んー……通りすがりの警察かな」


そう言って警察証明書を見せた。

「ちょっと家までついて行っていいですか?」


なぜか私は、“警察”という言葉に反応して顔を背けてしまった。

パシッと私の手首を掴んだ彼の表情は真剣で、さっきまでの笑顔は消え去っていた。


「着いて行きますね…?」

「っ…」


さすがにこれ以上の抵抗は無理だと思い、素直にあの家まで案内した。

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設定タグ:SEVENTEEN , ジョンハン , ハニ
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ゆりあ(プロフ) - 初めまして。最後まで読ませていただきました。ジョンハンがハニだって分かった所あたりから泣いてしまいました...なんか、言葉に表すのが難しい感情です...私はこういう系のお話を初めて読ませていただきましたが、本当に良かったです。これからも応援してます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: 3890c4bb34 (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - ぴーよさん» なんて嬉しいお言葉を……(><)最高だなんて( *˙ ˙* )ほんとにありがとうございます~頑張ります! (2020年8月18日 23時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーよ(プロフ) - 読み終わりました...というより、読み終わっちゃいました泣 こういう系初めてで最初ちょっと躊躇してしまったんですが、もう最高です。読んでよかったですほんとに(>_<) とりまもう一ループしてきまっす (2020年8月18日 23時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - モノクロさん» 嬉しい言葉ばかりで、、、(喜)全部見ていただけたのですね、、、ただただ嬉しいです、、、(><)単行本!?!?!?笑笑そんな!これからも頑張ります、、!ありがとうございます~! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - すっごく面白かったです!!作者さんのお話全部、見させて頂いたのですが、もう本当にドストライクでして。単行本、待ってます。応援してます! (2020年8月18日 20時) (レス) id: 2b6a0ab99a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅな | 作成日時:2020年8月15日 15時

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