第69話 環境 ページ26
私たちは英国の広場に出て、ベンチに座った。
なんとなく気まづい雰囲気の中、私はぽつりと呟いた。
「私は、リジーとは違うから」
「え?」
「生まれた国も、環境も、見てきたものも、聞いてきた他人の声も。多分私は……」
リジーが羨ましいの。
「……名前、あのね」
「なに?」
「こんな時に言うのは変なのかもしれないけど、聞いてほしいの」
なんでも聞くよ、と言うとリジーは一呼吸置いて続ける。
「私……!名前が羨ましいの!」
「え」
大きな声でそんなことを言われ私の思考が止まる。
羨ましい……?
頭の中が疑問で溢れかえる中、リジーは話し出す。
大切な婚約者のために、どれほど努力してきたのか。
可愛いドレスに似合うヒールの高い靴も我慢。
全てはシエルに相応しい女の子になるため。
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リジーside
久しぶりにシエルからお屋敷に来て欲しいと言われ、目一杯オシャレして胸を踊らせて馬車に飛び乗った。
大好きな人の、大好きなお屋敷に着いて私は馬車を勢い良く飛び出した。
「お嬢様……!危ないですよ!」
ポーラの声ももう耳には入らなかった。
「シエル、シエル、シエル〜!!」
セバスチャンに迎えられ中に入ってすぐ、
私の目はある女の子に止まった。
中国人の劉に寄り添うように座っている華奢で綺麗な黒髪が特徴のとびきり可愛い女の子。
少しずつ接していくうちにこの子がどうして劉に愛されているのかが、分かっていった。
きっと名前みたいな子が、“守られる”女の子なんだ……____________
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古畑のねこ(プロフ) - みすすさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです;;続編もありますので、是非そちらも読んで頂けると嬉しいです! (2021年8月9日 16時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
みすす - おもしろい! (2021年8月9日 11時) (レス) id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - りのさん» はじめまして!素敵なコメントありがとうございます!小説を書く励みになります……;;これからも頑張って更新していきますので、お時間がある時に読んで頂けると嬉しいです! (2021年2月18日 0時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして!本当に劉がかっこよすぎてたまりません( ; ; )ありがとうございます( ; ; )更新応援しております!楽しみですっ! (2021年2月15日 18時) (レス) id: 316c0ca52b (このIDを非表示/違反報告)
古畑のねこ(プロフ) - きなこさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです;;これからもかっこいい劉をたくさん書いていきますので、お時間あるときに癒されて頂ければ幸いです……! (2021年1月2日 23時) (レス) id: f94598afd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:古畑のねこ | 作成日時:2020年9月29日 3時