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お願い。
誰か助けて。
息ができない。
さっきまで気になっていなかったのに。
一気に視線が気になるようになった。
ごめん、ちょっと抜けると吐き気と目眩を感じながらトイレまで壁を伝いながら歩いていく。
やっぱりまだ、早かった。
さっきまで何も感じなかったのに。
_____桜木コウの娘でしょ
かわいそうよね、両親が居ないなんて
_______ずっとピアノさせられてたんでしょ
___それじゃあ英才教育ってこと?
_______流石天才ピアニストは違うわね
______でも今あの子、ピアノ弾けないんでしょ?
え、なんで?
____自分で自分の手首切ったからだよ
_______あの子の周りの人は全員不幸になるらしいよ
やめて。
嫌。
嫌ｯ嫌ｯ……嫌だ。
違う。
「そうじゃない。
そうじゃないの…ｯ」
ガタンと足から崩れ落ちる。
ただ、褒められたかった。
綺麗だよって、すごいねって言われたかった。
ただ、認めて欲しかったの。
ねぇ、お母さん。
私は、ピアノが嫌いな貴方が憎い大人になったよ。
貴方が望んでいない大人になってしまったの。
今貴方が生きていたら、私はどんな人になっていたかな。
私の大半の記憶は、とても醜い痣がいっぱいついていたけれどそれでも偶に優しかった穏やかだった貴方を思い出す。
ねぇ、貴方は私をどう思っていた?
嫌いだった?憎かった?
どんな人間になって欲しかった?
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作者名：ひまわり | 作成日時：2020年6月22日 0時
