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それからあまり進展することはなく、落ちついた日々を送っている中。
ついに"それ"がやってきた。
12/24のイヴの日に毎年行われる学年別で科の中で1番成績が優秀な人が選ばれる"それ"は、私達生徒の一大イベントだ。
正直、作間くんは選ばれるだろうと前から確信はしていた。
だから、もう随分前から覚悟を決めたはずなのに。
こうも自分は弱いのかと、どうしても足が竦んでしまう。
久しぶりに人前に立つ。
2年ぶり?
くらいかな。
理解はしてるの。
私は彼の指導者として彼の晴れ姿を見に行くのが筋ってものだと思う。
それが私の責任だ。
｢…ｯ綺麗だね｣
「…久しぶり」
「思ったよりも元気そうだね」
久しぶりに出る外は、少し変わってはいたけれど風景はそのままだった。
学園内くらいしか出ることは無かったし、それもあまり人出が多くない所を選んでいたから。
色々新鮮だった。
久しぶりの衣装に少し、肌寒く感じるがそれも会場に入れば暑さに変わるだろう。
「色々、ありがとう」
3人には感謝してもし切れない。
「今日は、瑞稀の弟子も出るんだよ」
「へぇ、それは楽しみだね」
「ちょ、弟子じゃないから」
なんて2年前と変わらない。
まるであの頃に戻ったように会話が弾む。
でも、1人足りない。
優斗の隣に立ってた蒼弥が足りないの。
喋ることが大好きで、スーツが良く似合う。
人とすぐ打ち解けられるくせに、たまに部屋にこもりっきりになる。
何をしてたのか聞くと、楽譜を作ってたなんて本当に音楽が好きで
私には分からない感情を持っていて、音楽を心から楽しんでいる彼がキラキラしていて思わず手を伸ばした。
それが間違いだったのかな。
幸せだった、あの頃は。
人生で1番幸せだと感じた。
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作者名：ひまわり | 作成日時：2020年6月22日 0時
