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｢候補はある?｣
一通り、終えた後に
質問を投げかけると、彼は首を横に振る。
…困ったなぁ。
できれば早めに決めさせてあげたい。
私も出たことは何回かあって、その時の記憶はもう何も思い出せないほど緊張していた。
今なら分かる。
その緊張に混じった感情が。
私はその時、この世界に入りたいと酷く感動した。
感銘を受けたからこそ、今もここにたっている理由なんだと思う。
でも作間くんなら、なんとなく卒無くこなしてくれるのではないかと思うの。
｢ちょっとまってね｣
そういって、彼にあった雰囲気の曲を探していく。
｢ショパンは黒鍵のエチュード、雨だれとかどうかな?
あと、リストならタランテラとか。
ラフマニノフだったらアンダンテ・カンタービレ
ラヴェルは水の戯れとか有名所だよね｣
難易度的にはどれも彼にあっていると思う。
留学してきているんだから、作間くんの実力は相当なものなのは確信している。
というか、きっとこの子は…。
ううん、やめよう。
そんなこと、考えるようになるなんて。
｢でもコンクールじゃないから、自分の好きな曲を弾いたらいいと思うよ｣
そう、別に賞がある訳じゃない。
でも作間くんは代表で選ばれた中の1人である事には変わりないから、その責任は重いと思う。
｢…好きな曲｣
少し、考える素振りを見せたあと彼は
｢1日、時間を下さい｣
と言ってきたので私は静かに頷いた。
1日でいいのかな…なんて思ったりもするけれど、そんな流暢なことは言っていられなかった。
でも、作間くんに好きな曲を選んでいいと言った時どこか少し嬉しそうだったのは気のせいかな?
楽譜をファイルの中に丁寧に閉じている彼を見て、ありがとうございましたという一礼をした後に彼は部屋から出ていく。
明日、作間くんに私は驚かされることも知らずに。
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夏海(プロフ) - 早くもありがとうございます！！ほんとにひまわりさん大好きです！！お話最高でした！！ (2019年6月15日 16時) (
レス) id: a941c74214 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 夏海さん» コメントありがとうございます。あれま･･･！ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。これからもよろしくお願い致します!! (2019年6月15日 14時) (レス) id: 7571a91e8c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 占ツクもTwitterも大ファンです！！！ぷらいべったーのお話も読みたいのですが、フォロー限定公開になっちゃってます……！ゆっくりでいいので、フォロワー限定にしていただけると嬉しいです！待ってます！ (2019年6月15日 14時) (レス) id: a941c74214 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり | 作成日時：2019年4月26日 18時
