意気地無しラブレター【Ryo】 (ページ34)

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｢好きなんだね｣

というと、え?と足がとまる親友。

｢あの人の事好きなんでしょ?｣

そういうと、彼女が誤魔化そうと必死にその話題をずらそうとする。
でも両耳が赤くなっていることにきっと自分自身は気づいていない。

可愛いなぁ、と思っていると。

急に、そういえば…と気まづそうな顔で私を見る。

｢橋本くん…大丈夫だった?｣

私無理やり誘っちゃったから。
って、彼女が気にすることじゃないのに。

｢うん、大丈夫。
今年はどっちみち家にいる予定だったから｣

本当のことだった。
もう、行ってもいいかなって。
自分の中では結構我慢してきた方だったし、彼女なら気兼ねなく話せるし。

｢私ね、ずっと好きだったの。
多分物心着く前からずっと｣

気づいたらりょーちゃんが好きで。
目で追っていて、今でも一つ一つの行動にどきどきしてるの。

でもずっと、中学校の時の当時の友人の何気ない一言がずっと胸に刺さっていた。

"本当に好きなの?
ただ可哀想って同情してるだけなんじゃないの?"

あの頃、なんであの子がそんな事を言ったのかは分からない。

もしかしたら、その子も好きだったのかも。
私にそういって諦めさせようとしてたんだと思う。

でも、ずっとその言葉が消えないの。

君も居たのに、当時の私は臨機応変に対応することはもちろん、怒ることも反論することすらもできなかった。
ただ、黙ってスルーすればいいなんて大人ぶってたの。

｢でも、少し疲れちゃったかもしれない｣

好きでいること。

君のとなりにいたこと。

全部全部思い出は綺麗なままで。

もうこれ以上傷つくのも、傷つけたくもないんだ。