意気地無しラブレター【Ryo】 (ページ4)

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｢よく、はしもっちゃんの通訳なんてやろうと思ったよね｣

辛口な言葉をいってくる彼は私の苦手な人だった。

少しでも涼ちゃんの助けになればいい、そう思って始めた行動は自分の首を絞めるだけ。

余程、ひどい顔をしていたのだろうか。

彼は、顔が引き攣ってると私に指摘した。

｢…井上くんは、涼ちゃんのとこ行かなくていいの?｣

｢あー…あんま人混み得意じゃないし。

それに、ここに居たら多分来ると思うから｣

井上くんは、涼ちゃんと小学校の時から仲が良くて

私を除いたら、涼ちゃんを1番理解出来るのは井上くんだと思う。

そして暗かったときの涼ちゃんを知っている数少ない人物。

小学校の頃涼ちゃんは耳が聞こえない理由のせいか

興味本位で近づいてきたり、ふざけて補聴器を取られて遊ばれたりすることが多々あった。

私もクラスが違ったせいか、涼ちゃんの異変にあまり気づけなくて

そんな時助けてくれたのが井上くんだったと後から涼ちゃんから聞いた。

｢本当、小学校の時とは比べ物にならないくらいだね｣

｢…うん、なんか涼ちゃんがどんどん遠くに感じる｣

そういうと、井上くんは少し驚いた顔をする。

｢はしもっちゃんも不本意だね｣