蝶が56匹 ページ9
そして楽しい夢も急に暗くなり、夢特有の情景が変わる現象が起きる
幼い私と母親は森の中を逃げていた
母親はドレスを引きずりながらも私と手を繋いでめいいっぱいに森の中を駆け抜けていく
私はフード付きのポンチョを被り片手には大好きな絵本を持ち、母親に手を引かれて一緒に走っていた
私と母親は汚れていた。
それでも気にせず息を吸って吐いてを繰り返し走る
後ろからは男の人たちの大きな声が響く
あぁ、私たちはあの時必死に逃げていたな。
でも逃げきれなかった。
「貴方だけでも逃げなさい！行きなさい！」
私はあの光景を今でもはっきり覚えている。
私が母親の顔をはっきりと見た日だ。
「私は大丈夫。すぐに行くわ、ほら、行きなさい。また後で本読んであげるから。」
あの時の母親の顔は何処か寂しげだったが、私を心配させないようにするために涙を流しながらも微笑んでいた。
私はあのとき涙すら出なかった、あの時の私はきっと純粋ですぐに母親が来てくれると思い一生懸命に走り抜けた言われるがままに。
私は捕まらずそのままエンカントにたどり着き、倒れた。
そして目が覚めた。
辺りを見回すともう外はすっかり明るく他の人たちの声もうっすら聞こえる
Aは顔を触る
頬が何故か冷たい感触があった
Aは鏡を見に行き顔を確認する。
あぁ、泣いていたんだ。夢の中の母親に会えて嬉しかったのか怖くて泣いていたのかは分からない。
でもAの頬には涙の跡が残っていた。
Aはサッと顔を洗い朝食を食べ、街に降りる
街の人達がAに声をかける
「よう！嬢ちゃん！明日が楽しみだな！何が欲しいものあるか？」
A「ありがとうございます！気持ちだけで十分ですよ！」
「あらAちゃん。明日が楽しみね〜今日も頑張ってね〜」
A「ありがとうごさいます！頑張ります！」
行き交う街の人達が明日の歓迎会のことでAに声をかける
そして今日もパフォーマンスをして、周りを驚かせる
Aはこの日がいつまで続くのか少し、いや、だいぶ心配だった。
外側では平然としていても内側では色んな考えが巡っている。
不安や恐怖がつもりいつまで自分がこの街に入れるかなんて事をミラベルのパーティーのあの日が原因に、ふっ、と気を抜くと簡単に頭に浮かんでしまう。
それが何よりも悔しい
無力な自分に苛立ってしまう
Aはパフォーマンス終わりは、ずっと街をうろちょろして周りの人を手伝っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よよよ - 続き楽しみでーす！！！！！！！！！！ (12月17日 15時) (
レス) @page10 id: f80cf1a544 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：バスタオル | 作成日時：2023年11月30日 1時
