7 Jr. side ページ8
彼等は言葉の如く、飛び立った。
50階の部屋から、空の更なる上へと。
百聞は一見にしかず。
最初から飛び立つの見せてくれたら
少しは信じたのに。
彼等との約束の時間まで1時間をきった。
ここには僕を引き止める物は何もないはずなのに、ユートピアに行く決心が一向につかずにいる。
今まで、人を信じてこなかった僕が
何にでも用心深く決断してきた僕が
数分話しただけの彼等とあるか分かりもしないユートピア国家に行くことを2時間で決めるなんて、できっこない。
けれど、僕の手は勝手に動き
出発する準備を始めている。
リュックには大切な本をいっぱいに詰め込み
屋上へと足を運んだ。
残り5分をきった。
空には太陽が昇り光が差し込む。
“俺達が照らしてやるよ”
約束の時刻まで
3秒、
2秒、
1秒、
“We're gonna Fly”
僕達は飛んで行く。
どこまでも____
屋上から飛び降りると急降下して行く体。
このまま、彼等は迎えに来ずに死んでいくかもしれない。
落ちていく中でそんな事を考えて
閉じていた目をうっすらと開けると
そこにはちゃんと彼等がいた。
思わず目を見開く。
MK「何、びっくりしてるの?
来ないかと思った?」
彼は僕の手をしっかりと握ると
そう言って無邪気に笑った。
MK「離さないで、俺にぎゅっと捕まってて」
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作者名:Seira | 作成日時:2016年3月24日 19時