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『中学サッカー日本一を決める大会ホーリーロード、関東Ａブロック地区予選二回戦。万能坂中対雷門中は開始早々のオウンゴールで雷門が失点！ 得点は１ー０で万能坂中がリード！ 追いつけるか雷門中！ 』
殆どが剣城のシュートに反応できていなかった。霧野先輩と天城さんは呆然と得点板の１を見つめている。浜野さんが微笑む剣城を頬を膨らませて睨んでいた。
「味方の中に、敵──睨む神サマも素敵！ 」
茜さんは通常運転である。私は立ち上がりメガホンを口元に当てた。
「三国さーん！ 大丈夫まだ一点ですよ！ 絶対に取り返してくれますって、倉間先輩が！ 」
「おい！！ 勝手な事言うな！ 」
「う、どさくさに紛れたらいけると思ったのに」
「倉間君、妙にあの子に懐かれてますね」
「ね。きゃー倉間先輩モテモテー！ かっこいーい！ 」
「集中しろよ！ 」
声はここまで聞こえないが、二年生の三人が騒がしい。
「仲いいですよねー先輩達」
「あの三人休みもよくつるんでるからな」
「そうなんですか。やっぱり釣り？ 」
「そーそー。お前も今度着いてったら？ 喜ぶぜ浜野」
『雷門のキックオフで試合再開です！ 』
「天馬！ 」
神童先輩が松風君にバックパスを出した。倉間先輩に戻さなかったのはサイドにいる剣城にボールを近づけるのを嫌ったのだろう。
「行けー天馬！ 」
「天馬！ 頑張って！ 」
ドリブルで上がって行く。万能坂中の選手が一人ボールを奪いにやってきたが、松風君はそよかぜステップで躱した。
「あれ、スピードが前より上がってる……」
天河原戦で見た時よりもフェイントの予備動作に無駄がなくなり、その分立ち上がりが速くなっていた。ここ数日の練習で確実に上達している。
「うわあぁッ！ 」
『だが！ フォローに入っていた磯崎にボールを奪われた！ 』
変だ。磯崎が態々下がって松風君にチャージを仕掛ける必要はない。
「痛っ……！ 」
嫌な予感が的中し、松風君は前傾のまま片足を庇う様にして倒れ込む。笛は鳴らない。
「おい審判どこ見てんだよ！ 反則だろ今の！ 」
「反則も反則です！ あれ、スパイクに何か仕込んでますよ……！ 」
葵ちゃんが小さく悲鳴を上げた。
フリーキック欲しさにわざとオーバーにリアクションを取るのがサッカープレイヤーの常とはいえ、松風君のあの反応は尋常ではない。
「まさか……！ 審判から見えない様にやっているの！？ 彼らは潰しのプロだわ……！ 恐ろしい秘密とは、この事なのね」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
