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私は反田典子。よく名前を「のりこ」と間違えられます。小学生の頃のあだ名はごはんですよでした。海苔からとったのでしょうが、ここまで来るともう原型を留めていません。
「このッ……尻軽女！ 」
チームメイトが顰めっ面で叫びます。肩で息をしていて苦しそうでした。そんな彼に私はこう返しました。
「ん？ ありがとー！ 」
この時は尻軽を身軽と同じ意味だと思っていたんです。恥ずかしい。
こんな風に最近は名前で呼ばれる機会が少なくなったので名前を間違えられる心配はしなくなりました。皆私を尻軽女か、
「
.
.
「遅刻遅刻遅刻遅刻ッ……！ 」
母から時間通り起された時、呑気に「え？ 今日は土曜日だよ？ 」なんて答えていた数十分前の自分を殴りたい。
「初日から遅刻なんて、最悪だ……！ 」
しかも試合当日。
ホーリーロードの開会式はおろか、この時間では前半戦にも間に合うかどうか。ブルーインパルスのカラースモーク見たかったなぁ。とほほ。
走る足は止めずに、時間を確認しようと携帯の画面を覗く。
「ん、あ！ 葵ちゃんから連絡きてる！ 」
それも十件以上。最初のメールは起こす為にか短めの文で「起きてる！？ 」といったものばかりだが、私の遅刻が確定してからはとても丁寧に天河原中までのルートを画像付きで送ってくれている。
……本当に不甲斐なくなってきた。
「急がなくちゃ！ 」
天河原中に着く頃にはやはり前半は終わっていた。休憩時間だと言うのにスタジアムからは地響きの様な観客の声が続いている。
警備員の方に雷門中の控え室まで案内して貰い、勢いよく飛び込んだ。
「遅れてすみませんッーー！！ 」
自動ドアが開くと、中にいる全員の目が私に集中した。
「典子ちゃん！？ 」
入口付近にいた西園君の声だ。視線を向けると松風君と円堂さんの姿もある。
「反田」
「はっ、すすすみません神童さ、ち遅刻しましたごめんなさい！ 」
全力疾走した後だから吃ってしまった。恥ずかしさやら疲労やらでドッと汗が吹き出る。
「いや、そうじゃなくて。今ミーティング中だから」
「誰だよアイツ」
そう言って褐色の男子生徒が神童さんを小突く。よく見ればここにいる全員が一軍ユニフォームを着ており、緊張感が凄まじい。
て、あれ？
「なん……何で、お前が」
一人壁に寄りかかっている少年が、忌々しげに呟いて私を睨んだ。
「──剣城！？ 」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
