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練習が終わると私は二軍の部室で着替えを済ませる。汗を拭き、てかりが酷い鼻や額に粉を叩いた。
「典子ちゃんお化粧するんだね」
横の葵ちゃんが私のポーチを興味津々な顔で見る。
「ちょっとだけ。周りがそうだったから自然と好きになって」
「へぇ、お姉ちゃんとか？ 」
「まあ〜……葵ちゃんは？ 」
「私もちょっとだけ」
そう言って彼女は自分のポーチを出すが、化粧品よりもファスナーの金具についた大量のキーホルダーの方に目がいく。
「あれ、これイナズマジャパンの吹雪さん？ 」
「そう！ 携帯の方には他の選手も付いてるんだ」
「あっ、やっぱりそうだよね！？ いつ聞こうかタイミング伺ってたんだ！ 」
その時丁度葵ちゃんの携帯から電子音が鳴った。
「イナッター更新されたみたい」
「イナッター？ 」
葵ちゃんに促されて画面を覗くとそこにはサッカー部の人達の会話が並んでいる。
「牛丼の早食いチャレンジとかしてる。サッカー関係ない事も書いてるじゃん」
「皆自由に書き込んでるよ。そう言えば典子ちゃん入ってなかったよね。携帯貸して？ 入れてあげる」
言われるままに差し出すと、手早く私の携帯を操作し、一分もしない内に返してくれる。
「はい、どうぞ！ 」
「うわーありがとう！ 」
「早速挨拶してみたら？ 」
「やるやる〜。これ剣城も入ってるの？ 」
「入ってるよ」
「じゃあこれで毎日練習に剣城呼び出せるじゃん！ 」
「えっと、呼んでも来ないんじゃ意味ないかな？ 」
「あ」
「アハハ。……ねえ典子ちゃん、どうしてそんなに剣城君を気にかけるの？ 」
「え？ どうしてって？ 」
「天馬もだけどさ。ほら、剣城君はシードでしょ？ 一緒にサッカーしてるイメージが湧かないっていうか」
「私もシードだよ？ 」
「そうだけど、典子ちゃんはなんか違うじゃん」
「うーん」
「もしかして好きなの？ 」
飲み物を口にしていたら絶対に制服が駄目になっていた。
「好きィ！？ いやいやいや……え、でも私サッカーしてる剣城見てるとドキドキする……」
「えぇ！？ 嘘、冗談半分で言ったのに！ 」
「体温がこう、グググと上がる感じ……」
「きゃー！ 」
「ん、待てよ。そうなったら私神童先輩も信助も松風君も好きかも。あれ？ 」
「なーんだ。それ、結局サッカーやってるからドキドキしてるだけじゃない？ 」
「タハハ。私、皆とサッカーするとドキドキしてるんだ。うん。……あぁ、だから剣城を放っておけないのかな」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
