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「倉間ともいい勝負をしそうだな」
三国さんの言葉に神童さんも頷いて答える。
倉間先輩は雷門で１１番を背負う選手だ。サッカーにおけるエース番号といえば１０番だがこの番号はミッドフィルダーも身につける場合があり、必ずしもシュートを打つ人物という訳ではない。それに対して１１番は絶対に点取り屋である。
そしてここ雷門で点取り屋を名乗る人といい勝負をしそうだ、と言われて調子に乗らない人間がいるだろうか。いや、いない。
照れていると、ふと腕を突かれる感覚がした。視線を下にやると西園君がいる。
「ねえねえ」
「なになに？ 」
「剣城、また僕達の事見てたよ。いつもじーっと見てるだけで気味悪くない？ 」
言われて観客席の方を見ると確かに頬杖をついた剣城の姿があった。例の可愛い紫の改造制服を着ている。(いいなぁ、私も制服アレンジしちゃおうかな……。)
「無理矢理入部した癖に試合どころか練習にも出ないし、一体何したいんだろ」
「無理矢理？ 」
「僕と天馬は入団テスト受けたりしたのに、何もなしに入っちゃったんだ。シードだからっておかしくない？ 」
「うっ、それは私にも刺さる……！ 」
距離が距離だけに声は届いていないだろうが、明らかに自分の話をしていると感づいた彼は、また昨日と同じうんざりした表情でサッカー棟から出ていってしまった。
「……もしかして剣城も一緒にサッカーやりたいとか？ 」
「えーそれはないって！ 」
彼が座っていた席を、じっと見つめながら松風君は言う。それを否定する西園君。その間私は神童さんに入団テストをしましょうと提案して必要ないと断られていた。とほほ。
「それじゃあよ天馬。今からあいつの後をつけて何を企んでんのか探ってやろうぜ」
悪そうな笑顔で水鳥さんが提案した。あ、神童さんが頭抱えて……。
「えっ、剣城の跡をですか？ 」
「剣城のヤロー、何かよく商店街の方へ歩いて行ってるらしいんだ。それって絶対訳ありじゃん？ ハッキリしないのは嫌いなんだよ」
「あのな、練習を」
「いいぞ行ってこい！ 」
円堂さんの鶴の一声で、私と西園君、松風君、マネージャー三人が剣城を尾行する事になった。
「見失わない内に行こうぜ！ 」
「午後の練習が始まるまでには戻って来るんだぞ」
三国さんの声を背に走り出す。
「典子！ どこ行ってんだよそっちは武道館だ！ 」
「ウワーッ！ すみませんッ！ 」
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
