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案の定向こうのペースに飲まれてしまった。二進も三進も行かずに困り果てる緑川。恐らく変な汗をかいているだろう。
「こっちにパスだ！ 」
「あ！ ありがとう！ 」
緑川が綱海へパスを出す。
「つなみブースト！！ 」
敵が守備を整える前に綱海がすぐにシュートを打つ。距離がかなり離れているし無謀かと思ったが、威力は弱くなる様子がない──ロングシュートか。
「ザ・タワー！ 」
しかし、ゴール手前に構えていた財前の必殺技で止められた。
「やるな塔子」
「私達だって強くなってるんだからな」
塔子がすぐさまボールをこちらへと蹴り返してくる。女子相手にフィジカルでは負けないが、基山も緑川も、敵のペースに飲まれやすいようだ。
それは次のカタール戦で大きな弱点となるやもしれない。
「惜しかったぞ綱海ーー！ 」
「おう、次は決めてやるぜ！ 」
こぼれ球がこちらへやってくる。
＊＊＊
昼食を終え、俺は豪炎寺と作戦ボードで今後の練習メニューについて話していた。
「不安か？ 」
ピタリと今の心情を当てられる。聡い豪炎寺の事だ。俺が練習メニューの相談をもちかけた時から察していたのだろう。
「チームとして俺達は未熟過ぎる。そんな中影山が司令塔になるなんて、不安にならない方が可笑しいだろう？ 」
「気持ちは分かる。俺達には、影山との因縁があるからな」
「俺達」という言葉の中には円堂も含まれているのだろう。
「豪炎寺。お前は、あの影山をどう思う？ 」
「どう思う、か。……正直、あまり良い印象は無い」
豪炎寺の目線の先には俺の足があった。
「でも、それはそれで違和感があるな」
「違和感？ 」
「何かを企んでいる奴があんな悪目立ちする行動を取るだろうか」
「意図があると言いたいのか？ 」
勢いよく教室のドアが開く。そこには肩で息をする吹雪がいた。
「どうした？ 」
吹雪の焦った表情に思わず固唾を飲む。
「外を」
カーテンを開けてみると、グラウンドでゲームが行われているのが見えた。
問題はその場に影山がいる点だ。
「相手は大阪ギャルズＣＣＣか？ 」
チェックがポイントとしてあしらわれた、ピンクと白のユニフォーム。目を凝らすと塔子の姿も見える。
弾かれたボールが影山の元に飛んでいく。
全員がカウンターに備えて視線をボールから離した。
刹那。
ボールはヒロトに渡っていた。
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名無し40482号(プロフ) - 夢蜂さん» ホントですか！ ありがとうございます。久しぶりに筆をとったのでお見苦しい点もあるかと思いますが、完結までまだまだこれからなので長い目で応援して頂けたらと思います(^^) (2020年11月13日 20時) (
レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 久しぶりに占ツクに帰ってきたら好きな作品に巡り会えました！更新ゆるりと待ってます！！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: e0800992ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し40482号 | 作成日時：2020年10月18日 21時
